物心ついた時から、周りの人の心臓あたりにぼやっとした光が見えたの。
初めは何なのだろうと思っていたけど、小学生の時祖父が亡くなって、その時祖父から光が抜けていくのを見て、あれが命だって確信したのよ。
命――そう、魂ね。
だからといって特に何もなかったんだけど、ある日わたしは気付いてしまった。
中学生の時飼っていたペットが亡くなったとき、祖父の時みたいに、光が抜けていくのが見えたの。
わたし、思わずそれに手をのばしたの――そうしたらね、つかめたのよ。
わたしはそれを持って外へ出た。そしてその辺を歩く野良猫を見かけて、どうしてあんなこと思い付いたかわからないけど、生きている猫の魂に触れてみたの。
――魂は簡単に抜けたわ。
猫は、動かなくなった。
代わりに飼っていたペットの魂を入れた。
そうしたらまた猫が動き出した。
でも、わたしにはわかる。これはさっきの野良猫なんかじゃない、わたしのペットなんだって。