それは、初夏を過ぎた、ある暑い日のことでした
それは、初夏を過ぎた、ある暑い日のことでした
……
この『てんせい保育園』で一番元気な女の子、マリカちゃん(5)
いつものように、お友達と大好きな積み木遊びに夢中になっていました
すると突然、マリカちゃんは遊びの手を止め、じっ、と一点を見つめ固まったんです
周りの騒がしい園児達との温度差のせいか、まるでマリカちゃんだけ時間が止まっているみたいでした
「チカ先生!マリカちゃんがぁ」
園児の一人が、私に駆け寄りそう言ってきました
うわぁ、どうしたんだろぉ?
困ったなぁ…
私、まだ新人だしなぁ〜
ええっと、他の保育士さんはっと…
…………………………
………うん、私だけ☆
…はぁぁ、やれやれ…
あらあら、マリカちゃん?どうしたのかな〜?
どんどん青ざめていくマリカちゃんに、一緒に遊んでいた園児達が、心配気に保けたマリカちゃんの目の前で手をフリフリしていた
次の瞬間…
ま…まちがえた…
…え?
どーしてぇぇぇぇぇっ!◎×△@∽⊆%〜!!
いきなり、頭をぼりぼり掻きむしり
聞いたことない言葉を話し出したんです
えええ!な・何?今何て言ったのぉ?
あたりは騒然としました
無理もありません
私だって何が起こったのか、さっぱりわからなかったんですから
きっとあいつらのしわざだわ!△%∴≧☆〜!!…あれからなんねんすぎたの?…だって…□☆◇∴…で、∫£◎〜〜なのにぃぃぃ!!
わわわわわ〜!
かなり取り乱していらしゃる!
英語?…いや、違う…
やっぱり聞いたことない言葉だ!
でも、なぜかちゃんとした言語だと
本能的にわかるんだけど!?
なんで?
!!
!!
やばい!目があってしまったぁぁぁ!
勢いよく、歩み寄ってくるマリカちゃん
そして、ムンズと私のエプロンを掴んできました
ヒィ!
チカせんせい!…オトナのひと!
そう言うと、今度は私の手をガッとを掴むと
強く引いてきました
こ・こ・怖いんですけどぉぉぉっ!!
いっしょにきて!
え?…ちょっ…マリカちゃん?どこ行くのよぉぉぉっ!?
マリカちゃんは、そんな私の訴えを華麗にスルーすると、私を屋外へと連れ出したのでした…
…マリカちゃんの進む、その先に…
恐ろしい陰謀が待ち構えているとも知らずに…
マリカ@りぴーと
第一話 「マリカ@まーず」
私を連れて、園内の人気ない用務小屋の裏へ来たマリカちゃん
一体、ここで何が起こるのだろうか…
私は不安でいっぱいになっていました
…
…
…あの
…
マリカちゃん!
…
ご用は何ですか?
先生お仕事があるんですからね!
すっごく、すっっごく忙しいんですからね!
まだ、働き出して3ヶ月の私
特に忙しくもないけどね…
わたし、チカせんせいにいっぱい、ききたいことあるけど…
まだ、ここのコトバよくわからないから、じょうずにおはなしできないかも…
?…いいよ、話してみて
ここの言葉ってねぇ…
年齢からすれば、それはまぁ…そうなんだけど
違和感あるなぁ
うん…わかった
…あのね…
はい、なんでしょう?
…ここはチキュウだよね?
…
ちょっと…やだ…何言いてるのこの子…
…遊びよね?ごっこか何かよね?これ?
…そうだよ?ち・ちきゅうだよ?
ええーい!仕方ない
少しだけ付き合ってやるかぁ
そっか…やっぱり
まちがったのか
?間違いって?何を間違えたの?
そう言えば、さっきからそんなこと
言っていたような…
うまれてくるとこ、まちがえた
ウワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!
何気にすごいこと言ってない?
きっと家庭に問題あるんだわ
すさんでるのね…かわいそうに…
じゃあ、本当はどこに生まれたかったのかなぁ?
おいおい、これって…触れていい闇?
カセイ!
はぁ?
うわ!思わず「はぁ?」って言ってしまったよ!
カセイって?地球の隣の?あの火星?
(コクリ)
……コホン
火星にはね、マリカちゃん…
人は住めないんだよ?
大人の対応、大人の対応っと…
すめるよ!チキュウのひとはすめないけど、カセイのひとはすめるもん!
…マリカちゃんは火星の人じゃないから住めないよー
すめるもん!
…イヤ、だから…
……?
でも、いまカセイは、いきできなくなってきて、みんなくるしい、くるしいしてるの!
チキュウのわるいひときてから、みんな、いきくるしいになった!
…
あれ?
とてもおこった、カセイのわるいひとたちが、チキュウのひとたちをしんじゃえする。チキュウのひとたちカセイのひとたちしんじゃえする。だめ…。
ちょっと!たんまたんま!
せ・先生にはすこーし難しいなぁー、その手のお話し
この感じ…
あーーっ!しんじてない!
うそのおはなしじゃないもん!
ほんとうのおはなしだもん!
わたし、そのこと、とめるためにいきかえりした!
カセイに、だいじなごようがあったから、しんじゃったけど、いきかえりしたの!
いきかえり?…って、生まれ変わり?のこと?
えっ?えっ!?…ウソ、本当に!?
うん?たぶんそうだとおもう…
でも、まちがってチキュウにうまれちゃった…
これはとても、とてもおおきなしっぱい…
背筋が凍りつきました…
だって、この子…
…本気で言っているんですから
確かに、話しはよく分からないけど、それは語彙力の問題であって…
なんていうか、感じたんです!
強い意思?…『力』みたいなのを
…でも、だとすれば
信じられないけれど、マリカちゃんは…
マ・マリカちゃんは…
その…あるの?
生まれる前の記憶…
うん
でもわたし、『うまれかわり』のこと、きょうおもいだした
わたし、もうじかんない
やくそくのじかん、ちかづいてる…
じかんくると、わたしのキモチなくなるの!
そしたら、たぶん、ぜんぶおわり…
それはぜったいダメなの!
あ・あの!ゴメン!
ち・ちょっと…待って…せ・先生、混乱してて…
だから、チカせんせい!わたしのごようをてつだって!
カセイと、チキュウのために!
…そんな…急に言われても…
私、わかんないよぉ
…それにまだ…
ねぇ!おねがい!
チカせんせい!
チカラをかして!
いっしょに…
もう!だから!
待ってって言ってるでしょ!
!!
あ…
ご・ごめんなさい…
…ううん、わたしもごめんなさい
…マリカちゃん
あ・あなたは、一体何者なの?
まずは、そこから教えて?…ね?
…
わかった…わたしのこと、おはなしするね
…うん
マリカにうまれるまえ
わたしは…
カセイのひとだったの!
第一話 「マリカ@まーず」
終
◆次回予告◆
さーて!来週のマリカさんはー…
はい!
次回はチカが、犯罪者に!?
いやぁ、いつかはやると思っていましたよ☆
こらこら
とうとう、マリカちゃんの本性…じゃなかった、正体が明らかに!
なんと!前世は、絵に描いたようなタコ星人なのでしたー!…なんちゃって♡
……くくくっ
?
バレたか!
いや!お前
それグレイやん!
次回、マリカ@りぴーと第二話
『マリカ@てらふぉーみんぐ』
お楽しみに!