愛していたんだ。
君をずっとずっと愛していた。
愛していたんだ。
君をずっとずっと愛していた。
...知ってた。君のことを愛してはいけないこと。
それでも愛してしまった。
どうしようもないぐらい、愛してしまった。
きっと君は僕が君を愛していることを知っていたんだろう?
知っていて、知らないふりをした。
...結局、君は最後まで、「愛してる」とは、言ってくれなかったね。
君と遊んだあの思い出の場所に、君が死んだあの崖に、
君の、墓をたてた。
...あの後、君が言った言葉の意味を調べたんだ。
ねえ、君はどうしてあんなことを言ったんだい?
僕だって君の声を聞きたい。
___ねえ、ほら。辺りはとても静かだよ?
___ねえ、こんなにも静かなんだよ?
.....なにかいってくれよツツ
___僕はただ、君を想って泣き叫んでいた。
いくら泣いたって、足掻いたって、何も変わらないことはわかっている。
.
___...頬を撫でる、草の感触が心地いい。
......段々と瞼が落ちてくる。
夏には珍しい爽やかな風が吹き、何故かとても気持ちがよかった。
呼吸をするのを忘れるぐらい、息を吸うのをためらうぐらい、
___優しく、美しい。....そんな世界に僕はいた。
(___ああ、愛しき君よ。
...もし、もしまた会えるのなら、
___君に、狂おしいほどの愛を、、)
___...墓の前には、ヨミアオイの花束が置かれていた。
end.