これまでのあらすじ













バーガーショップ『サンサーラ』

改め回転生寿司『三皿』で

運命的再開を果たしたバーガーら、

もとい一人と一皿。


運命の歯車は複雑に噛み合いまわりだす。


果たして、小奴らの行く末やいかに?














































ねぇ、アンタ。
あのお客さん寿司に話しかけてるよ。大丈夫かしら?

やっぱり出ていってもらった方が良かったかな……。





































メインディッシュ
後編


































オマエ、シンプル!?

そうだよ、ノンケチャ。
私、人間になっちゃった。






……てか、シンプルって女だったのか!?

むー。まだそんな事言ってるの?
ノンケチャは。






……え?

魂に男も女もないよ。
それは外見の話。
外見なんて関係ないっていったでしょ?






シンプル……変わらないな……。

ノンケチャだって、
あの頃と変わってないよ。






おいおい、勘弁してくれよシンプル。

……。






俺はあの頃から変わったぞ。
もうノンケチャじゃない。
大将だ!

そういうところだよ、大将。






何?

自らの殻を脱ぎ捨てようとしながら、その殻に囚われ続けちゃう。それが変わらないノンケチャらしさだよ、大将。






な……。

今の殻の傍から見た評価なんて気にする必要は無いんだよ。ノン……大将。






傍から見た評価は関係ない……。

その殻を楽しめば良いんだよ、ノンケ将






今のこの殻を楽しむ……。

もう少し自由になろうよ。ノンケチャ。






俺は……大将に生まれ変わって何もかも変わると思っていた……。けど、それは違ったんだな、シンプル。

わかってくれたみたいだね、ノンケチャ。

それにしても……。






ん?

じー……。






どうした、シンプル。

……美味しそう。






え!?
ちょ……。

いいよね?お寿司だもんね。






待ってくれ、シンプル!
俺はもうちょっと大将を堪能したいんだ!

いただきまーす。

あーっ!

モグモグ……。






あぁ、俺がシンプルに喰われてる……喰われてる……。

ごちそうさま。






喰われちまった……。

なんか言った?ノンケチャ。






……。

お寿司、ちょっとお酢が効きすぎだったよ。






俺……、皿だったのか。





うっ……。

どうした、シンプル!






お、お腹が……痛い……。

どういう事だ……?

















うーむ。

レーンに居座り続ける寿司を
『大将寿司』として
売り出したけど、
さすがに一週間も
回り続けたヤツはダメだったか……。

何言ってんの、このバカ!

お客様、大丈夫ですか!?

お腹が……痛くて…死ぬ……

やべぇな、開店したばかりなのに食中毒とか営業停止になっちまう……。

ノンケチャの……

お、おい、やめろシンプル!
何をするだァーッ!
まさか、
投げる気かァーッ!

ノンケチャのバカァ!!






うわぁ!

バタッ


















薄れ行く意識の中


大将こと皿ノンケチャは


ひび割れた天井を


ただただ眺め続けていた。










つづく

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