れんれん

奇跡的に妊娠したのは鬱病になって3年目のコトでした。

実家の家族との距離感を模索しつつ、引っ越しを終えて新な場所での暮らしにも慣れてきた頃でした。
子供を授かり、とても嬉しくて嬉しくて何度も妊娠検査薬を見直したことを覚えています。

この知らせには実家の家族も喜んでくれて、少し安心しました。

とりあえず、最寄りの産婦人科医院へ行くコトに。 妊娠して初っ端から躓く(つまづく)とは思いませんでした。

れんれん

よろしくお願いします。

……。 どうも。
検査薬して来はったんやね?

れんれん

はい。 陽性やったので。

……。 鬱はいつから?

れんれん

??? ……。 3年前くらいからですけど。

……。 うーん。 分かってると思うけれど、ここは命の生まれるトコロやからねえ。 ここでは自殺せーへんって約束できる?

約束できるんやったら、ここで出産してもいいけれどねぇ。

暫く、産婦人科医の言っている意味が分からず……

れんれん

??? 妊娠しているのに自殺ですか? しないですけれど?(どういう意味???)

まぁ、だったらいいんやけどね。 とりあえず、血液検査しますんで、あっちの部屋に行ってください。

れんれん

??? はぁ。

何だかよく分からないまま、診察は終わり、家に帰ってから悔しくなりました。 鬱=自殺と思っている偏見と、マタニティーブルーというのもあるというのにあんな医者では信用できん!

怒りや憤り、そうして悲しさが込み上げてきました。

結局、最寄りの産婦人科医院には行くコトを止め、別の産婦人科医院に伴侶に電話をしてもらいました。

こうへい

鬱病を患っているんですが……。

……。 そうですねぇ。 普通の方が対象ですので……。

こうへい

受け入れられないというコトですか?

そういうワケではないんですが……。

総合病院に行かれた方が……。

こうへい

分かりました。 失礼します。

そんなこんなで、結局、少し遠い総合病院へ行くことにしました。

実際のところ、総合病院だったからなのかお医者さん個人の問題なのかは分かりませんが、総合病院での産科では鬱病の話しなど全く出ず、血液検査と妊娠に向けての準備などの説明を受け、すんなりと受け入れてもらえました。

無理せず、元気な赤ちゃん産みましょうね!

そんな一言が、とても嬉しかったです。

いろいろとありましたが、なんとか無事に出産を終えて、家に帰り、育児がはじまりました。

母性本能とは凄いモノで、妊娠中から授乳が終わるまで抗うつ剤は必要なくなり、安定剤だけで暮らすことができました。

授乳から離乳食への移行も自然と7か月か8か月あたりで完了し、ぐんぐん飲んでもりもり食べてくれた我が子は8か月目から保育園へ入園することができました。

しかし、妊娠と出産、乳児の育児が一段落すると安心したのか、限界だったのか、どーーーん!と一気に気落ちし、また一時期辛い浮き沈みを繰り返しまじめました。

保育園や町内会のコトも全て伴侶に任せるようになり、家事も全くできなくなり、妊娠前の状態に戻ってしまいました。

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