俺と付き合ってください!





 見れば分かるが俺は今、『絶賛・告白中』だ。


 まさに人生最大のイベントというやつである。




え!?

ユウキくん……本気なの?

ユウキ

超本気!

絶対退屈させないから!

……






 これは決まった!


 うん、手応えはある!










 これは間違いなくクリティカルヒットだ!!














 相手はクラスで『一輪の花』的な存在の愛馬リエ(あいばりえ)ちゃん。


 最近教室の席が隣になったので、思い切って声をかけたところから俺達の物語は始まった。


 映画に行き……


 ボウリングに行き……


 図書館に行き……


 アキバに行き……


 メイド喫茶に行き……


 アニメの聖地に行った。





 そして時は満ち、告白を実行したのだ。









リエ

ユウキくん……

ユウキ

へい!











リエ

いやマジ無理きもいって正直ありえない自分の顔見て言ってんのきもいきもいきもいよお前あーきもいんじゃぁ

ユウキ

え……

リエ……ちゃん?

リエ

てかお前さあ、後半ただのオタクだったよなぁ

見てて本気でウケたし

ユウキ

……

ユウキ

はは……

リエ

あ?

ユウキ

ははははははははははははははははははははははははははは母母歯母歯母歯母歯歯……

リエ

え、なんだって?

母の歯が何?






 俺はこの後の事を鮮明には覚えていない。


 唯一覚えていることと言えば、『血を吐いて倒れた』という事くらいだ。










 元々、持病とかは無かったはずなのだが。














 こうして俺はあっさりこの世を去った。



















そ、それは大変でしたね……

ユウキ

でも結果的にこうして異世界へ来られたのですから良かったですよ










 というわけで俺、神谷ユウキ(かみやゆうき)は現世であっさり死にました。


 そして、異世界へ『転生』したのでした。


 目の前にいらっしゃる御方は、この異世界のお姫様『プリスちゃん』。


 リエちゃんに少し似ていて、正直タイプです。


 草原で倒れている俺を見つけてくれて、『あなたは亡くなって、この世界にやってきたのです』と、突然過ぎる死の宣告をお告げいただいた偉大な方なのです。


 その後この小屋に入れていただき、死んだ経緯について聞かれたのでついつい語ってしまったのである。









プリス

この世界には貴方様のように、別の世界から来られた方々が大勢いらっしゃいます

みな元の世界で不幸な死を遂げられていました

プリス

だからせめて、この世界では……

プリス

幸せ一杯になってくださいね!

ユウキ

あー

超可愛いなー

プリス

え!?

ユウキ

あーいやいや、何でもないんだ

ユウキ

で、俺は今後何をすればいいんでしょうかね?

プリス

この世界に決まり事(ルール)はありません

住人は好きなように御自分の人生を謳歌されています

プリス

ただ、一つだけ

この世界の『空気』には……


























 突然何か破られたような大きな音が、室内に響き渡る。 


 そう、小屋のドアが破られて見るからに強そうな大男が入って来たのだ。









ゴラァ!

俺の嫁に何しとんじゃボケェ!!

プリス

あっ

グ、グランドさん……

ユウキ

俺の周りはみんな口が悪いなぁ……





















第一章 終



















第一章『いつ死ぬの? いm』

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