03.新たに始まる生活
03.新たに始まる生活
…。
私は心の中で、この人…何を言っているんだろうと思ってしまった。
けれど、私の中で何かが遮った。
君を迎えに来るために僕は生まれたんだ。
…見知らぬ男性が私にそう言っていた。
私の知らない記憶ー…。
…?今のは一体…。
…はっ!!
突然現れた奴に急にそんなこと言われても困るよね。
ごめんね。
この人は…一体何者なのだろうか。
…ああ、なぜ俺がここにいるか気になるよね。
ずっと前から君を見つけて気になっていたんだ。
それで…つい忍び込んでしまった。
…え、ええっ!?
し、忍び込んだって…。
よく忍び込めたなぁ…。
屋敷には執事にメイド、門番やら使用人がいる。
…どうやってここまで入れたんだろう。
ああっ!!やっと見つけたあああっ!!
…おっと。
じゃあ、またどこかで。
あっ…。
…行ってしまった。
そしてすぐその後に…。
あっ!!
逃げやがった…透様お待ちくださいっ!!
スーツのような格好をした男性がこちらへ走ってきた。
…ん?”透様”って言っていたような…。
…ああっ!!大変失礼致しました。
…透様、お待ちくださいいいっ!!
…行っちゃった。
あの二人組の姿は見えなくなった…。
…部屋に戻ろう。
あっ!向日葵お嬢様。
瀬奈さん、お疲れ様。
この人は屋敷でメイドをしている”礼堂 瀬奈(れいどう せな)”さん。
私より年上で大学3年生。
美人でとても優しい。
先程、奥様が向日葵お嬢様をお探しになられていましたよ。
え…ママが?
教えてくれてありがとう。
私は屋敷の中へと戻った。
…。
ー続く