第六話
鬼を酢に指して食う

BET?

楊 金満

ベット!!さあ来い!

楊 金満

よし流れが来た!
これで昨日のマイナス回収までもう1ゲーム。
ここはデカく勝負!

BET PLEASE

楊 金満

…やっちまった。
でもこれっぽっちならゼロか100か。いっそ使い切った方が増しだ!

楊 金満

…おいおい嘘だろ。100万を1時間で溶かしちまったよ。

楊 金満

明日、店休みにして前倒して一刻も早く二岡さんに寸胴引き取ってもらわなければ…

ONE MORE BET?

こうしてギャンブル狂いの中華バカが店を出て雑居ビルの違法カジノでスッてるスキに

赤鬼様とオレ様は中華料理店に侵入し、
例のブツをスる事にした。

裏口からキッチンに侵入するとそこには


一杯のワンタンスープがあった。

赤鬼

最高のもてなしじゃないか。
お前がイケよ。
昼間はあんなに馬鹿みたいに食ってただろ?

青鬼

ちょっと待ってくださいよ!
見るからにトラップじゃないっすか?
人間がよくやってるアツアツのおでん食べてリアクション取れ的な?

赤鬼

そんな冗談で済めばいいが、熱さで舌に穴が開くかもな。
いいから行けよ。
毒見するのもお前の仕事だろ?

青鬼

このお鬼ィ~さん!マジ怖~い!

青鬼

あれ?普通に美味しいけども?

青鬼

熱っ!え、名にこれ?今さら舌火傷した!?

赤鬼

いや正解は“上”だな。
というより店全体か。

青鬼

うげえ!
あぢー!!
こんなスープ飲めるかよ!!!

  青鬼 飛行形態

ひい!赤鬼様助けて~
髪の毛燃えちまいました~!

赤鬼

お前の場合、鬼の霍乱とは言わないな。
本当に口先だけだよ。

※鬼の霍乱…ふだん非常に丈夫な人が、思いがけなく病気になったり弱ったりすることのたとえ

赤鬼様は鬼の形相どころか、
とても涼しい顔で部屋中に
広がった業火を一振りで薙ぎ払った。

寸胴デモニキュリオ

帰レ。
オ前タチニアノ人ハ渡サナイ。
帰レ。

                       青鬼

こいつがこの寸胴のデモニキュリオか。
味なマネしやがって!

赤鬼

思ったより強力なデモニキュリオだな。
こいつは修羅場になりそうだ。

続く

第六話 鬼を酢に指して食う

facebook twitter
pagetop