ごめんね、フレイヤを巻き込んで
気にしないで、魔法が必要なのよね
うん、恥ずかしいことに、私の力じゃ足りないから
着いたわ。初代魔王様から教えて貰った、アイツの部屋
アイツ……転生の儀式を行っている人がここに……
ごきげんよう
貴女がノースポールね
そう、この城は「私」
何をしに来たの?
この城を壊しに来たの
愚か者が
リアン、挑発しないの!
あ、ごめん
なぜ、勇者の仲間を生かした、
なぜ、魔王を生かした、
なぜ、勇者を生かした
死なせたくないからに決まっています!
私だって!!
……………
………………
扉、見つけたぞ!
その扉は、ダメ!!
………開ける
ここがノースポールの花畑
この城の心臓……
魔法陣があるから、転生の魔法の儀式はここで行使されていた
この花の魔力で、
転生が繰り返されてきたのね
綺麗だね
我はこの花が好きだ
私も嫌いじゃないわ。
でも………
わかっている
花に罪はないのだけれど
…………燃えろ
や、やめなさい!!
再会できても……あの日の魔王様ではない。私は魔王様の第三の目として、彼の転生を見守ってきました。
目覚める度に過去の記憶に苦しむ魔王様を………殺され生まれ変わる未来に怯える魔王様の姿を………その怯えを隠して勇者に挑む魔王様の姿を…………私は見たくないのです。
私は、貴方たちの望みを叶えているのに!
もう一度会いたいと願ったから、会わせてあげてるのに!!
確かに願った!! だけど、同じ結末は望んでなかった………そんなものは望んでない!!
この城がなくなったら、もう転生できないのよ?それでも、良いの?
それが目的ですから
もう、十分!
勇者と勇者の仲間、魔王、彼らの死で発動される転生の魔法。
これは誰のためのものだろうか……
貴方たちの為でしょ! 貴方たちは転生の魔法で何度でも出会えるのよ
そして、何度も別れる。
この城を破壊すれば、この先の未来に行けるんだよ。
私たちは、勇者たちを先の未来に行かせたいの。
…………っ
三人とも、後は我がやる
………
そうだね、後は任せたわ
今までありがとう
闇の盾……貴方が相棒で良かった
みんな、
ここで、さよならだ
ちょ………何を!
………共に果てよう
…………っ
我が「闇の盾」として目覚める前は
一人の男だった…………
この城も元は我の城だった。
…………え?
魔王の運命すら変えられる……魔界の皇帝……そんな時代もあった
あ…………
皇帝なんて、名ばかりで花を愛でるのが好きなロマンチストな男だ
ノースポールの花が好きだから、地下を花畑にしようって、貴方は言いました
病に倒れた我は、花に囲まれて寝たいと望んだ。
そして誰かに生まれ変わり、いつかお前と再会したいと願った。そして、そのまま………
…………残された私は、ひとり……心細かった
ノースポールの花は転生の魔法の媒介の一つだった。
お前は我と再会する為にと、
何度も転生の儀式を繰り返した。
貴方が勇者や魔王に関わる「何か」に転生されていることしか、私は知らなかった
この城を魔王城とし、私はこの「城」とひとつになって……貴方が来る日を待っていました。
勇者と魔王が必ず辿り着くこの場所で。
やっと、手足を得てお前の元に
辿り着くことが出来た。
父上、なの?
……………ああ
だから、共に果てよう。
もう、一人にはしないから……
…………………はい
to be continued