リアン

ごめんね、フレイヤを巻き込んで

フレイヤ

気にしないで、魔法が必要なのよね

リアン

うん、恥ずかしいことに、私の力じゃ足りないから

ステラ

着いたわ。初代魔王様から教えて貰った、アイツの部屋

リアン

アイツ……転生の儀式を行っている人がここに……

ステラ

ごきげんよう
貴女がノースポールね

ノースポール

そう、この城は「私」
何をしに来たの?

リアン

この城を壊しに来たの

ノースポール

愚か者が

フレイヤ

リアン、挑発しないの!

リアン

あ、ごめん

ノースポール

なぜ、勇者の仲間を生かした、
なぜ、魔王を生かした、
なぜ、勇者を生かした

ステラ

死なせたくないからに決まっています!

ノースポール

私だって!!

……………

ペペロ

………………

ペペロ

扉、見つけたぞ!

ノースポール

その扉は、ダメ!!

ペペロ

………開ける

ステラ

ここがノースポールの花畑

リアン

この城の心臓……
魔法陣があるから、転生の魔法の儀式はここで行使されていた

フレイヤ

この花の魔力で、
転生が繰り返されてきたのね

リアン

綺麗だね

ペペロ

我はこの花が好きだ

リアン

私も嫌いじゃないわ。
でも………

ペペロ

わかっている

リアン

花に罪はないのだけれど

ペペロ

…………燃えろ

ノースポール

や、やめなさい!!

ステラ

再会できても……あの日の魔王様ではない。私は魔王様の第三の目として、彼の転生を見守ってきました。

ステラ

目覚める度に過去の記憶に苦しむ魔王様を………殺され生まれ変わる未来に怯える魔王様の姿を………その怯えを隠して勇者に挑む魔王様の姿を…………私は見たくないのです。

ノースポール

私は、貴方たちの望みを叶えているのに!
もう一度会いたいと願ったから、会わせてあげてるのに!!

フレイヤ

確かに願った!! だけど、同じ結末は望んでなかった………そんなものは望んでない!!

ノースポール

この城がなくなったら、もう転生できないのよ?それでも、良いの?

ステラ

それが目的ですから

フレイヤ

もう、十分!

ペペロ

勇者と勇者の仲間、魔王、彼らの死で発動される転生の魔法。
これは誰のためのものだろうか……

ノースポール

貴方たちの為でしょ! 貴方たちは転生の魔法で何度でも出会えるのよ

リアン

そして、何度も別れる。
この城を破壊すれば、この先の未来に行けるんだよ。
私たちは、勇者たちを先の未来に行かせたいの。

ノースポール

…………っ

ペペロ

三人とも、後は我がやる

ステラ

………

リアン

そうだね、後は任せたわ

リアン

今までありがとう
闇の盾……貴方が相棒で良かった

ペペロ

みんな、
ここで、さよならだ

ノースポール

ちょ………何を!

ペペロ

………共に果てよう

ノースポール

…………っ

ペペロ

我が「闇の盾」として目覚める前は
一人の男だった…………
この城も元は我の城だった。

ノースポール

…………え?

ペペロ

魔王の運命すら変えられる……魔界の皇帝……そんな時代もあった

ノースポール

あ…………

ペペロ

皇帝なんて、名ばかりで花を愛でるのが好きなロマンチストな男だ

ノースポール

ノースポールの花が好きだから、地下を花畑にしようって、貴方は言いました

ペペロ

病に倒れた我は、花に囲まれて寝たいと望んだ。
そして誰かに生まれ変わり、いつかお前と再会したいと願った。そして、そのまま………

ノースポール

…………残された私は、ひとり……心細かった

ペペロ

ノースポールの花は転生の魔法の媒介の一つだった。
お前は我と再会する為にと、
何度も転生の儀式を繰り返した。

ノースポール

貴方が勇者や魔王に関わる「何か」に転生されていることしか、私は知らなかった

ノースポール

この城を魔王城とし、私はこの「城」とひとつになって……貴方が来る日を待っていました。
勇者と魔王が必ず辿り着くこの場所で。

ペペロ

やっと、手足を得てお前の元に
辿り着くことが出来た。

ノースポール

父上、なの?

ペペロ

……………ああ
だから、共に果てよう。
もう、一人にはしないから……

ノースポール

…………………はい

     

to be continued

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