18.牢からの脱出

霧雨 涙

…え?

 私を見張るため…?
 私はアリスに恐怖を覚えた。

アリス

あれれ?もしかして…怯えている?

アリス

安心して…ここから逃げなければ…何もしないから…。

 アリスは私の頬をゆっくりと撫でた。

 …何としてでもここから脱出しなければ…。
 けれど、一体どうやって…?

アリス

なんかつまんない…。
ティア、何かして遊ぼう。

霧雨 涙

!!

 …これだ。
 脱出を賭けて遊びという名の勝負をすれば良いとそう私は考えた。

霧雨 涙

…アリス。
私と「かくれんぼ」をして遊ばない?

 …「かくれんぼ」。
 意外にもこの檻の中はとても広い…。
 そして…隠れられる場所が何箇所かある。

アリス

わー!!やるや…。

霧雨 涙

ただし…”賭け勝負”。
私が勝ったら、ここから出してもらう。
あなたが勝ったら…。

 アリスは笑顔から、一瞬、無表情になり…不気味な笑みを見せた。

アリス

…良いよ。
僕が勝ったら…。

アリス

ティアはいつまでもここで僕の”お人形”となって傍にいてね。

 どうやら…了承はしてくれたようだ。
 ただ…アリスが勝てば…

 私はいつまでも牢の中に囚われ、アリスの”お人形”として生きなければならない…。

霧雨 涙

…良いよ。

霧雨 涙

必ず…私が勝つもの…。

 ー続く

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