これまでのあらすじ















前向きで熱血漢、ゴージャスを自称するノンケチャは

自らが欠陥品である事を知り、自身のバーガー生に絶望する。



一方、飾り気も無く後ろ向きな性格のシンプルは

ノンケチャの見守る中、何者かに食され

そしてゴージャスバーガーとして転生した。



果たして、ふたバーガーの行く末やいかに?
















































いらっしゃいませー!



























ハーフ アンド ハーフ




























いやぁ……。
ゴージャスバーガーって
あんな気持ちなんだね。






……。






高いところから見下ろす感じは
中々だったよ。






……なぁ。






なに?ノンケチャ。






俺にケンカ売ってる?






えー!
そんなことないよー!






1回ゴージャスバーガーになってから、
性格も変わったよな、シンプル。






そう?






明るくなった……っていうか、
軽くなった……っていうか、
うざくなった。






て……照れるよ。






褒めてないんだけどな……。






ノンケチャこそ、最近暗いよ?
どうしたの?






……なんでだと思う?






んー……。






……。






わかんない!






おのれシンプル!
食べ残しを道端に捨てられて
鳥にでも啄まれろ!






それより、ノンケチャなんか背が低くなってない?






……うるさい。






この前、従業員に食べられてから変だよ?






……ほっとけよ。






えー……
ほっとけないよ!
僕とノンケチャの仲じゃない!






……その名を呼ぶな。






……え?






俺はもうノンケチャじゃない。






んー……じゃあゴージャス!






おのれシンプル!
公園でひと口目を食べられる前に
噴水に落っこちてブヨブヨになっちまえ!






顔が怖いよ、ゴージャス。






オマエはこの俺が
ゴージャスに見えるのか?






見えないよ。






おのれシンプル!
温度設定の間違った保温器の中で
カピカピになっちまえ!






いいか、シンプル。
そのビーフパティ玉をひん剥いて
よーく見るんだ!






え?






ガバァ!

オラァ!






きゃー!






見たか?






いや、反射的に
ビーフパティ閉じちゃったから……。






仕方ないやつだな。
なら、もう一回!






ガバァ!

ウリャ!






きゃー!






こんどこそ見たか?






うん……。
ピクルスの隙間から……。






ケチャップ……
あったろ。






……うん。






……だからもう
ノンケチャじゃない。






うん、わかったよ、バンズ。






……。





……。





……今……なんて?






わかったよ、って。






そこじゃない。
そのあと。






そのあと……って?






俺の事を……なんて呼んだ?






……バンズ。

……。





……。





もう一度……言ってみろ。






バンズ。






オマエのビーフパティ玉は節穴か?
ケチャップがあったの見ただろ!?






だって、バンズじゃん。






俺はバンズじゃない!
ケチャだ!






バンズ。






ビーフパティは
入れ忘れられたんじゃない!






バンズ。






ケチャップがメインの
ケチャバーガーなんだ!






バンズでしょ。






やめろ。






いいじゃん、バンズ。






やめろって。






なぁ、バンズ。






ウワァァァーー!





聞けよ、バンズ!





ゴージャスったシンプルに
俺の気持ちがわかってたまるかァァァー!





シンプルとかゴージャスとか関係ないだろ?





……え?





バンズは外見を気にしすぎ。
重要なのは見た目じゃないぞ、バンズ。
魂がゴージャスかどうか、だ!





ゴージャスな魂……





たとえ見た目がバンズでも
いいじゃないか。
バンズだもの。

バンズであることに誇りを持つんだよ!





誇り……。





そうすりゃきっと、ゴージャスな気持ちになれるさ!





……悪かった、シンプル。
俺が間違ってたよ。





バンズ……。





……俺、外面ばかり気にしてたよ。





そうさ、バーガーは外見じゃない!





……外見じゃない。





バーガーは中身だ!





……中身だ。





バンズの中身は?





……無い。





ハッハッハ。





おのれシンプル!
バンズの裏表逆に挟まれろ!





なんか言った?




しまった、つい声に出して……




あ!バンズ!




え!?




うわァァァー!
シンプル―!




耐えるんだ!
バンズ!
これは試練だ!





















……俺、次こそ


ゴージャスBIGに


なれるかな……?






































……。




おかえり、ノンケチャ!




また元通りだな……。




てか、なんでオマエはゴージャスBIGになってんだよ!




てへ。




まぁいいさ。
俺にはこれが一番似合ってる。








ちょっとぉ!







ん?




なんだなんだ?









アンタ、また試作品を混ぜたでしょ!

いいじゃんー……
しれっと売っちゃってよー。

だいたいなんで
ケチャップなしとか、
ケチャップのみとか作るのよ!

だって、バンズさえあれば、一人分の材料で二人分できるじゃん!







……。




……ね、ねえ……半人前……。




半人前って呼ぶなァァァ!!!




















こののち、


バーガーショップは潰れ


ふたバーガーは


バーガーとして


転生することはなかった。









つづく

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