バイト君

店長って半額買います?

店長

半額って言うより、見切り寸前のを買うかな。誰も買ってくれなさそうな商品……

 この仕事にも少しずつ慣れて来たと言うことで、赤ずきんも俺も、少し長めに働いたり、少し遅めの時間に働くようにもなった。そこで気づいたのが、夜になると、惣菜が半額になると言うことだ。

お、お客様が惣菜の方に行き出した

赤ずきん

この時間は安いからね~大丈夫だよ、きっと狼さんの分も残るって

そ、そうだと有り難いな……

赤ずきん

まぁ、惣菜の方の気持ちを考えると、もっと早めに売れると有り難いんだろうけどね

そ、そうだね……

赤ずきん

まぁまぁ。店としても売れ残るのが一番辛いんだから、お互い貢献しようね

……ああ!

 すると、それを聞いていたお客様が、半額のお惣菜を沢山かごに入れ、此方へと持ってきた。

オカミさん

はい、これお願いね

赤ずきん

いらっしゃ……オカミさん!

 オカミさんは、お昼にお惣菜を作るこの店のいわゆる”惣菜のおばさん”だ。

オカミさん

さっきの話、聞いちゃった。私達のことも気にかけてくれて有難うね

赤ずきん

いいえ、でも、半額が欲しいのも人の心ですよ

オカミさん

ははっ、実はあたしもそう! だから、いっぱい買っちゃったよ

赤ずきん

この時間に来て正解でしたね、有難う御座いました!

オカミさん

はい、これあげる。二人で分けてね

赤ずきん

いえ、そんな

悪いですよ

オカミさん

良いのよ。オカミさん嬉しかったから、今日だけプレゼント。あっためて食べてね

赤ずきん

……は、はい! 今度半額じゃない時、お惣菜買いに来ますね!!

俺も!!

オカミさん

ははっ、有難う! 楽しみにしてるよ!!

 翌日、二人で惣菜を買ったのは、言うまでも無い話。

4・半額! スーパータイムセール

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