赤ずきんがレジに徹する間、暇になったら俺は品出しや前出しをする係にもなっている。一番近くにいたい気持ちはあるが、これも仕事。仕方あるまいに。
……などと考えていると、赤ずきんの列に三人の客が並んでいた。一人目はかご有り、その次の二人はニ連続でかご無しか……。
今朝何食べたんスか?
あ~……忘れちゃった
赤ずきんがレジに徹する間、暇になったら俺は品出しや前出しをする係にもなっている。一番近くにいたい気持ちはあるが、これも仕事。仕方あるまいに。
……などと考えていると、赤ずきんの列に三人の客が並んでいた。一人目はかご有り、その次の二人はニ連続でかご無しか……。
赤ずきんの列、かご持ってないお客さんが二人も来てる。あれを二つともレジ台に置かれると、境目が分からないからちょっと困るんだよな……
すかさず俺が手伝おうと寄っていくと、丁度一人目の会計を終えた赤ずきんが、俺の前に腕を伸ばす。ここは私がやる! と、言わんばかりに。
お客様、ご夫婦ですよね?
え? うんそうだけど?
はい、そうですよ
……成程、後から男性が来たから無関係の人かと思ったけど、夫婦だから会計は一緒ってことか。
それから赤ずきんは会計を終え、ご夫婦も帰っていった。それからすぐ俺の方に向き直ると、赤ずきんは礼を言った。
来てくれてありがとね
あ、いや。別に……
にしてもあの人達……
あの夫婦?
たぶん、アレは夫婦じゃないね!!
あの言葉の意味が恐ろしくも気になってしまい、家へ帰ってもなかなか寝付けない日々が続いた。