のぞみが振り返ると、背の高い男が三人立っていた。一人はメガネをかけた男、一人は常に笑顔を崩さない男、もう一人はガタイの良い大男だ。
おじさんたち誰?
のぞみが振り返ると、背の高い男が三人立っていた。一人はメガネをかけた男、一人は常に笑顔を崩さない男、もう一人はガタイの良い大男だ。
なぁ、兄貴ぃ。金、取らないんでぃ?
こんな小娘からは流石に取れないだろう。大丈夫? 寒くない?
兄貴、素が出てます
オイ、兄ちゃん等(ら)、ソイツ返してもらって良いかな
の、のぞみが……
コイツの大事な女なんでさ
……怪しいな。特にあのリーゼント。変態オーラが滲み出ている
俺っ!?
兄貴、シメときますか
俺変態じゃないよ
だな。アイツ等にこの子は渡せない
変態じゃないからね、俺
んじゃ早速
笑顔の男が鉄拳を良太郎へと向けようとする。
しかし、その間に益荒男が割って入ると、片手一つで男の拳を受け止めた。
な、片手で……!?
やっぱりそうか……
やっぱり!? 兄貴知ってて俺にやらせたんですか!? 俺超恥ずかしい!!
……
ってかお前も見てんじゃねぇよ!!
ヤンキー集会で噂はかねがね聞いていたよ……益荒男(ますらお)
……
うわっ、明らかに強そうな名前じゃないですか!
あの、俺本当にのぞみのこと純粋に愛しているだけなので……
と言いつつ、いつの間にか隣にのぞみをつれている良太郎。
にこっ
お前も何気にすげぇな!!
……ふっ
リーゼントが色々と不安だが
え、俺のリーゼント?
まぁ、大丈夫だろう。今日はクリスマスイブだしな……つってももう日を跨ぐけど
小娘にサンタさんからプレゼントが来ると良いな
!
お前、実はすごい面倒見が良いんじゃ……!
いや、それは無い
やっぱりすごく面倒見が良いんだよ
無いつってんだろ、髪引きちぎるぞ