―アッポーホテル部屋内―

のぞみ

のぞみ、サンタさん?

良太郎

そうだよ~いやぁまじ可愛いちゃん~

益荒男

流行んねぇぞ、ソレ

益荒男

そういや新しく貯金箱買ったは良いけど、のぞみの金どうすんの?

良太郎

そうだよな、意外と多いから持たせるのも危ねぇし、盗られないようにどっか隠しとかねぇとな

益荒男

それは良太郎に任せるわ

のぞみ

……

のぞみ

……

 良太郎が寝静まる夜、のぞみは静かにベッドから起き上がると、人目を忍ぶように歩きだした。

 良太郎と益荒男の隣を息をひそめて通過すると、貯金箱のしまってあるクローゼットへと手を伸ばした。

 クローゼットから出てくると、のぞみは慌てて外へと飛び出していった。

益荒男

……しゃあねぇなぁ

益荒男

オラ、起きろ。お前の大事な女が夜遊びしに行ったぞ

良太郎

はあ? 何言ってるんだよ、益荒男。のぞみなら今俺と焼き鳥弁当をお互いにあーんしてて、のぞみの唇についたソースをさりげなく俺の唇で拭おうと……

良太郎

……って夜遊び!? のぞみ~!!!

益荒男

いろんな意味で起こしておいて良かったわ……

 ホテルを一人飛び出したのぞみ。向かった店先の看板には、「closed また来てね!!」と書いてあった。

のぞみ

……みんな閉まってる

メガネの兄貴

お嬢ちゃん

のぞみ

メガネの兄貴

良い物持ってるねぇ

〈脚本・監修〉橋本ピッツァ(敬称略)

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