四本目


















喰らえっ!トールハンマー!










ふぅ〜、疲れたぁ。

ドラゴン討伐の後は
エナジードリンクで回復しないとね……。

この立ち上る薫り……。
たまらないわぁ……。

エネルギー……。

な、何よ、あなた!?

お前は『電気的エネルギー保存の法則』を知っているか?

フッ……。
そんな物、わたくしが知っていると思って?

ニヤリぃ

ビクぅ!

お前が先ほど唱えた雷の呪文。
地面に突き立てた杖の先端から電撃を放つ呪文なわけだが……。

あら、よく見ていたのね。

詠唱者が通電していないことから、魔力を燃料として杖と空気と地面を回路とするものと思われる。

何やら難しい話はお断りよ?

その詠唱の際には強烈な発電に伴い、その周囲も少なからず電荷が影響を受けている事だろう。

わたくし、エナジードリンクで魔力を回復していいかしら?

さて、そこでだ。
お前が手に握りしめつつ雷を放ち、今から飲もうとしているエナジードリンク。

これが……どうかして?

エナジーとはエネルギーの
正しい発音なわけだが……

あなた、博識なのねぇ。

電荷が移動しているッ!
思わず力んで凹ませているッ!
灼熱の溶岩洞で暖められているッ!

もはやお前の欲するエナジーは保存されていないッ!

う……
嘘おっしゃい!!!

見ろ!

イヤァ!?
いつの間にか、やくそうしか宝が入っていなさそうなチープな宝箱に!?

お前の手にしたソレ……。

うぅ……

魔力もエネルギーも減ったお前にお似合いだなァ?

な……何たる辱め……。

クックックッ……。

こ……こんな初心者勇者向けの宝箱なんて……

こうよ!!

はぁ、はぁ、はぁ

はっ!?

い……いない?











































あれ以来、わたくしはドラゴン退治をできなくなりました。

わたくしが使用できる属性で、唯一ドラゴンに有効な電撃を使おうとすると動悸がするようになってしまったからです。

今のわたくしは、王宮の厨房にて調理師の火力調整役にまで凋落してしまいました。

皆さんも、ドラゴン退治に電撃を用いた際は、ゆめゆめエナジードリンクで回復なさらないよう。





































ふぅ~……

ネタ仕込み中に飲むエナジードリンクは最高ス!









エネルギー……。








誰でスか?

ニタァ……





































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