カーミラ

お疲れさまです、プロデューサーさん。
私お茶菓子を持ってきました。お茶を入れますから、一息つきませんか?

カーミラ

新しい舞台衣装も無事、完成しましたし、リハーサルも問題なく終了。これで明日のライブの準備は万全ですね

カーミラ

よろしければプロデューサーさん、出来上がった衣装、見ていただけますか? 今回はちょっと自信があるんです

カーミラ

……ありがとうございます。
その、そんなにほめていただくと、申し訳ない気分に… 自分が好きでやっていることですから…

カーミラ

…はい? 作りかけの衣装がある? そんなはずがありません。ちゃんと全部完成しているはず……えっ…!?

カーミラ

す、すすすすみませんっ…!
これは違うんです。カーミラの衣装ではなく、ただ趣味で作っているだけのもので…!

カーミラ

出てくるときにあわてていたので、間違えて一緒に持ってきてしまったようです。 ……少女趣味すぎて、恥ずかしいです……

カーミラ

え? どうして舞台で着ないのか?
だってこんな清楚系の白いドレスなんて、カーミラのキャラに合いませんから

カーミラ

…プロデューサーさん、これはそんな軽い問題ではありません。キャラ崩壊は万死に値する罪ですよ…?

カーミラ

構築されたキャラ像を作り手が破壊するのは、それまでカーミラを愛し応援してくれたファンに対する最悪の裏切り行為なんです…

カーミラ

……え? カーミラの衣装としてではなく、加藤美羅の服として縫えばいい、ですか? でも……私に似合うでしょうか…?

カーミラ

…そんなに力いっぱいうなずかれると… その……ええと、ありがとうございます、プロデューサーさん……嬉しいです…

カーミラ

もしもいつかこのドレスが完成したら、きっと、プロデューサーさんにお見せします。カーミラではなく、加藤美羅として…

6|epi.6 ふたりだけの約束

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