クロガネ

隠しててすいませんでしたぁ!!

長い沈黙

土下座する俺

そりゃそうだろう。突然、異世界から来ました!とか言われても頭のおかしい奴だなとしか思わないし…



あーあ。俺は平穏に生きていくつもりだったんだけどなあ
現実だろうが異世界だろうが

まぁ、勇者願望が無かったとは

……無いとも言えない


本当になんでこの世界に来たんだか。
勇者でもないくせに

勇者様だ…

クロガネ

ん?勇者が来たのか?俺の無様な姿でも見に来た
いや、俺の処分をしに来たのか。

くそっ。勇者ってどんなヤツだよ!!

勢い良く顔を上げると
ヨ●ダみたいな緑色の顔をした爺さんと目が合った。

クロガネ

おま…貴方が勇者ですか?!


ヨルダ

い、いえわしは違


ゲンナイ

クロガネ


ヨ●ダを庇うように
敬語を忘れず、かつ今にも爺さんに飛びかかりそうな俺
の前に立つゲンナイさん。

そう言えばこの人も結構強そうだし勇者と言われればそうかも…

ゲンナイ

いや、勇者様!

クロガネ

…うん?な、何言ってるんですかゲンナイサン??


ゲンナイ

この世界には言い伝えがある。異世界からこの世界を救う勇者が来ると!


いやそんなドヤ顔で言われてもリアクションに困るんですけど。

クロガネ

もっと詳しく教えてくれませんか?


ゲンナイ

ぐっ…いいぜ。教えてやろう。正確には女神からの加護を受けた異世界の勇者がこの世界の危機を救う。その者は山を動かし、川を裂き、天を貫く程の力を持っているという。


クロガネ

見分け方は?


ゲンナイ

簡単さ!この職業判定の珠が金色に光ればたちまち分か……る?

はいダウトー

クロガネ

俺には女神の加護も、山を動かすような力もありませんし、珠の件については皆さんも見ましたよね?
俺は確かに異世界から来ましたが、勇者じゃないんです。

…なんか期待させてしまってすみません。


俺じゃなくて勇者が来てくれれば。希望に目を輝かせた皆を裏切るようで申し訳ない気持ちになった。

さっきと同じ、
否 重い沈黙。

クロガネ

一つ質問してもいいですか。

ヨルダ

「何かね?異界からの人よ。いや、クロガネさんじゃな?長老であるわし、ヨルダが答えよう。」

クロガネ

いやこれ似てる似すぎだろうぅぅぅぅ!

大荒れする心とは裏腹に頭はとても冷静だった。

クロガネ

勇者はこの世界を救う為に来ると仰っていましたが、この世界で何か起こっているんですか?


俺が約1日過ごしたこの世界。
危機が迫っているとは思えなかった。

ヨルダ

それは


ヨルダさんの声は俺の耳には届かなかった。

クロガネ

なっ…?!これは鐘?

消防車の鐘の様な音が響き渡る。

ヨルダ

…見てもらった方が早いようじゃ。こちらへ。

俺はまだ何も分かっていなかった。この世界のことを。

この世界の現実・・を。

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