ソール・グルナディエ

……迎えが来たみたいだな

マジー・プリエール

そうっすねぇ

カシェ

よもや、ここまで長居してしまうとは思いませんでしたな

アムレート

そういえば、カシェ様は戦いの後はどちらに?姿を見かけませんでしたが

カシェ

リットとグラースを正式に釈放してもらうために運に掛け合っていたのだ。スパイのようなことをしていたのは我々も同じだからな

リット

はぁ……また働かなくちゃいけないのか

グラース

潮風で肌が荒れるわ……

マジー・プリエール

不満たらたらなんすけど

カシェ

実力はあるのだがな……不真面目でなければ尚良いんだが

榊 十四郎

……ソール

ソール・グルナディエ

十四郎……

榊 十四郎

ちゃんと言えてなかったからな……改めて礼を言いたい

榊 十四郎

戦争を止めてくれて、神罰から私を守ってくれて、そしてどんな状況でも俺を親友と言ってくれた

榊 十四郎

感謝をしてもしきれない。本当にありがとう

ソール・グルナディエ

…………

ソール・グルナディエ

何を今更なことを言っているんだ。礼を言われるようなことは何もしていないさ

榊 十四郎

ソール…………

榊 十四郎

そうだな。ありがとう

榊 風音

十国とディスナティは関係復旧に力を注いでいきます。第一段としてソルセルリーさんの留学を許可してくださったことを感謝します

レーグル・ブリエール

本人が非常にやりたがったからね。若い才能の可能性を摘むのはディスナティもしたくないのさ

ソルセルリー

本当にありがとうございます、レーグル様、榊将軍

カシェ

大変だろうが、しっかりな。ソルセルリー

ソルセルリー

はいっ!

古森

水男殿

若奈

ソールさん

水男

若奈、古森……

古森

思い返せば、水男殿とは随分と長く行動を共にしたな

水男

ああ。何から何まで世話になった

古森

君が使っていた客間は、君の私室だ。いつでも帰ってきてくれ

水男

……ありがとう

若奈

ソールさん、シャルム君。私泣かないよ

若奈

絶対、また会おうね

シャルム・ソー

うんっ

水男

勿論だ

村長

水男殿達には世話になった。女性の知恵が欲しくなったらいつでも聞きに来なさい

マジー・プリエール

アンタの世話には絶対ならねぇから安心しろ

村長

若い女子にわしの初めてをくれてやるまでは死なんから安心せぃ!!

古森

一刻も早く捕まるべきだと思うが

皆様、そろそろお時間です

レーグル・ブリエール

分かった。では、船に乗り込もう

風ノ助

またな、ソールさん、チャーム!!

チャーム

風ノ助さんも。絶対また会いに行きますから!!

アムレート

アンタって、そんなに喋るキャラだっけ?

マジー・プリエール

俺たちが戦ってる間に何してたんだ……

榊 十四郎

ソール…………

ソール・グルナディエ

…………

ソール・グルナディエ

また会おう、十四郎

榊 十四郎

ああ。親友よ

マジー・プリエール

そういえば、先生ってなんで海に落ちたんですか?

ソール・グルナディエ

……なんでだったかな

マジー・プリエール

なんでだったかなって……

ソール・グルナディエ

ただ、十国を見てたのは覚えている

ソール・グルナディエ

十国のスパイ騒ぎの後だったからな、私の中でも十国を……十四郎を信じようという気持ちが揺らいでいた。だからそれを切り替えるために海まで行って十国を見ようとしたんだ

マジー・プリエール

で、その時に足を滑らせて海の中に落ちたと

ソール・グルナディエ

…………そうなりますね

マジー・プリエール

まぁ、理解はしました。先生が昔から十国を想っていたのは知ってましたから

マジー・プリエール

ちょっと、それで俺からお願いがあるんすよ――――

彼から久しぶりに手紙が来た。
立場も新しくなり、制度も大きく変革してかなり忙しくしているそうだ。
そして、言葉の端々に「会いたい」という思いが汲み取れて、思わず笑ってしまう。


私の方も変化はあった。
弟子の一人が正式に王族に戻り、もう一人の弟子を養子として引き取った。
先の戦争の事後処理が長くかかり、私も国軍に何度か足を運んでいる。



ふと、手紙に同封してあったものを見る。


「古森 水男」

名実ともに私は二つの国籍を得られた。
陰と陽の中間点に、本当に立つことができたのだ

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