あっ雨が降ってきた

オーストラリアを逃亡中というか、逃避中に田舎町を彷徨っていた僕達は近くに店もないので、仕方無しにバス停で雨が止むのを待つことにした

午前中は真冬だというのに嫌になるほど暑い日ざしが照らしていたが、正午を回るとその天気は一転コートの襟を立てないと寒さが凌げないほどになっていた。

ちなみにこのコートはオーストラリア入国時に空港近くの店のブランドショップで玲奈が買ってくれたものだった。

僕はそんなの受け取れないといったが

風邪とかインフルエンザ引いて私に染されても困るから、いいからコーキはそんな事気にしないで!

とかなり眼力強く言われて、更衣室に無理やり連れてかれて着用となった訳なんだけど……
最初値札見て、一着3000円?いっやここはオーストラリアドルで1ドル80円位だから、24万!

玲奈さん、後で○○しろとか言われてもできませんからね。ブルブルブル

さあ、コーキ着てみて!

うっうん、なんだか悪いな

いいから早く!早く!

5分後

どう、似合う……かな?

 いや~なんだか何かの品定めされてるみたいで、僕って品評会か何かに出展されるの?じーっと見られてるよ、本当に玲奈って眼力強いな~

ふんふん、ふ~ん

 やっぱり!前も少しだけ素顔みたけど、コーキって仕草とか少し暗いし眼鏡掛けてるから分かり難いけど、結構いけてるな、最初会った時は冴えない奴だと思ったけど、こうも変わるもんなんだなびっくりした……

なんかからかわれているみたいだな、やっぱり僕にこんな高いもの似合わないよ

そっそんな事ない!すっっごい似合うし、これならどこのパーティーに連れていっても自慢の彼だってい

えっ?

いやっあの、え~っととにかくこれでいいから私会計すましてくるね

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