うう、さむさむ。雪でも降りそうな感じだね。

エイミ

雪……恐ろしい。

エイミ

恵さん、いざという時はエイミのオーバーヒート機能を使って暖をとってくださいね。3分でエイミは機能停止しますが、恵さんが生き延びるためなら、

殺伐とした世界ですね。

ふん、身を犠牲にして貢献なんて、かっこ悪いわ。そんなことしなくても――

スッ―――

エイミ

あっ手を……

こうやって繋げば、それなりに暖かいってもんよ。 ……あっ、だめか。

エイミ

通常時……エイミのスキンは、熱を有さないです……

いいよ別に。そういうことじゃないし。

ふん、何よ。華奢な腕……怒りに任せて握りしめたら、壊れちゃいそうだよ。

そんなもろくて弱いものに、あたしはずっと頼ってたんだ……

エイミ

恵さん……? どうしたんですか。もう、エイミを頼ってはくれないのですか。そうしたらエイミは……

そうじゃない。これからだって頼るよ。

この一年、ずっとエイミさんはそばにいて。いつも助けてくれた。

エイミ

エイミは恵さんのお世話ドロイドですから。

あたしにとっては違う。ただのお世話ドロイドじゃあ、ない。

それ以上のものを、もらってる……だから、

あたしが、何かしてあげたい。そう思ってんの。

これからは、エイミさんにも頼ってもらえるような。そういう自分になりたいんだ。

エイミ

――――――

エイミ

エイミが、恵さんを、頼る? それは、エイミに標準機能には用意されていなくて……

難しいことは考えないでよ。エイミさんは普段通りでいいよ。あたしがしたいだけなんだから。

エイミ

いつまで、頼っていいのですか? 明日までですか?

短いな! もっとだよ。

エイミ

完了日が決まらないとスケジュールが立てられません。

ええい、言わせんな! ずっと! ずっと一緒! 死ぬまで一緒なんだから!

エイミ

――受理しました。今の言葉は録音され、ずっとエイミの中に保存されます。よろしいですね?

!! い、今更二言は、ね~!

――――――

エイミ

……はっ あそこに見えるのは恵さんのお友達、佳奈様。

!?

めぐちゃんったら、かっこいいんだから……♡!

エイミ

何やら携帯を構えていらっしゃいましたが、なんでしょうか。あっ、足早に去って行かれます。

もしかしなくても盗撮! 拡散される! それだけはダメー!

行くよエイミさん! かなちゃんを止めろおおお

エイミ

お待ち下さい恵さん!

エイミ

……

改めて、よろしくお願いします。恵さん。

ドロイドさんとの何気ない会話
ストリエバージョン:
おしまい

26 はじまりの終わり:誓ってやろうじゃんよ

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