ついてても異世界なら良いんじゃない?

その後の顛末












お久しぶりですリリーです、あの小屋での一件のあとボクらの冒険がどうなったかといいますとー、












ゲコゲコ













なんと!仲間が1人ふえました!












ゲコゲコ












あの後ー、カエル軍団の襲撃とか、小屋の主人の両親との辛い別れなどを体験したボク達は












ゲコゲコ












ナオトの華麗なる盾っぷりと、このボクの大量滅殺魔法でカエル軍団と、その親玉を襲撃、探索、撃滅することに成功!












ゲコゲコ












親玉のさらに黒幕がいることを謎の碑文から突き止め、それをいつかは退治しようと誓い、無事に小屋に帰ってくることができ












ゲコゲコ












そして、冒険の途中、ある理由から、道中を共にしなくてはいけなくなった「あの人」と、パーティを組むことになったのでした












ゲコゲコ












もーーーーーー!
うっるさいなーーー!
ちょっとは静かにできないのーーー?












ティモール

ゲコゲコゲコゲコ、ゲーーーコゲコ!

リリー

もーーーー、ナオトー、これ何とかしてよーーー、うっとうしいったら、キーーーーーってなっちゃうよーーーー!

ナオト

あぁ、もう!2人とも仲よくしなさいって、ほんと仲悪いな

リリー

だって、カエルだよ!爬虫類だよ、ヌメヌメ、気持ち悪いーーー、あーん

ティモール

ゲコゲコゲコゲコ!ゲコゲコ!!

ナオト

あーーーもうこれ分からないな

ティモール

ゲコゲコゲコゲコ!ゲコゲコ!!

リリー

うっさいなぁ、元は人間だったって?知ってるよ、でも今はカエルなんだからね、自分のことわかってる?ヌメヌメしてるんだよ!

ナオト

お前、よくそいつの言葉理解できるなー、本当はわかりあっちゃってるんじゃないの?(ニヤニヤ)

リリー

もーーー!からかわないでよ、わ、私はナ、ナオトだけが好きなんだから

ティモール

……ゲコゲコ……

ナオト

(ぼそぼそ)おい、あいつ、なんかさみしそうじゃないか?

リリー

(ぼそぼそ)まぁ、あの件で育ての親も住む家も、ぜーーーーーーーーんぶ失ったんだから、そりゃそんな顔もするでしょよ























......












あ、こんにちは、ティモールです












お久しぶりです












え?どこにいるのかって?












あなたまでそんなことを言うんですか?












本当に落ち込んじゃいますよ……












ほら、目の前にいるじゃありませんか












あ、勘のいいあなたなら、もうお気付きですよね、あ、気づいてて俺をからかってたんですか?












気づいてるのに気づかないふりをして俺をからかうなんて、全く、ひとがわるいなぁ












そうです、目の前のカエル、い、いや、変な邪神に海にいる生き物のように姿を変えられつつある生物、それが俺です












え?その名称長ったらしいし、やっぱりカエルって呼ぶ?












あぁ、あんたは本当にひどい人ですね












もういいです、あぁ!もういいです!カエルで!ゲコ












あ、ついつい見た目に影響されて、語尾が……

い、いや、本当はカエルじゃないんですよ











ところで、やたら、目の前のリリーさんが冷たいんですが、前回あんなに優しくしてくれたのに……なんででしょう?











しかもあんな情事っていうんですか?そういうのまで見せられて、、、











いや、俺が勝手に見たんですけれど、、、ゆるしてくれましたが、、、











しかし、あれですね、女の子も付いているなんて知らなかったので、本当に知らなかったので、一人で騒いじゃって、、、











リリー

ティモール君~あなたはまだ世間知らずで女の人と付き合ったこともなくて、こんな、ど田舎に住んでいてボッチで友達も一人もいなくて、クソ童貞だから知らないと思うけど、女の子にはついてるタイプの子と~ついてないタイプの子がいるのよ
(人のラブラブセクロスをいやらしく覗き見する変態め~!ピキピキ)











って、あのときも騒いでた俺のすべてを許してくれて(なんだかちょっと怖かったですけれど)、優しくしてくれたのに......











本当に俺は不幸だと思います












え?育ての親で落ち込んでるんじゃなかったのかって?












ああ、あの人達、俺は嫌いでしたから












イナクナッテセイセイデス












全く、俺の両親が早くに他界したのをいい事に、育ててやってるんだと恩着せがましく、やれ水くみだ、やれ食事の用事だ、やれ生活の面倒くさい事全部やれだ、って、鬼だったからですね












イナクナッテセイセイデス












その上、あの時、あの人らに少し同情したために、触ってしまって、この姿に……ひどい、ひどすぎる!!












リリーさんが混授魔法で、この世と別世界のつながりを、何とか繋げていててくれなければ












あ、この件の意味は全くわかりません、あくまでもリリーさんの受け売りです

ともかく、俺は今、いつ人間の意思を失って体がここにありながら、別世界の意思に取り込まれて、ただの抜け殻になってもおかしくないそうなので、今急いでいるんです












あ、これも意味がわかってて言ってないです、リリーさんの受け売りです












ちょっと今手がかりがないそうなので、このまましばらくは、お二人に同行しなければなりません











さいわい、人間だった時よりも、あ!いまでも人間のつもりですからね!、とにかく前よりも力は上がってて、俺に触れたものは呪いの負荷がかかるそうなので、戦闘では助かってるみたいです












え?お二人ですか?












あの人達はなぜか俺が触れても大丈夫だったようなんです












この世界のありとあらゆる生物が邪悪な呪いの負荷がかかり(リリーさんの受け売りです)、俺と同じ姿になる者もいる様なのですが、あの2人はそれが全く効いてない












って言うより、そもそも何か触った感覚がないのです












旅の途中で出会った人々に聞いてみても、そんなことはないと言うのですが、なぜか俺だけ触ってるって、いや実際触ってはいるんですが、触ってるんだけど何かここではない様な……すいません、うまく説明できません
















あの人達、いったい何者なんでしょうか?












俺の叔父と叔母をあの様に変えてしまった異形のものより、あの2人の方が俺には違う世界のものに見えて、え?あんまり気にするな?











リリー

おーーーーーーい!ティモール!なにやってんのーーーーー?置いてくぞー!人間に戻れなくていいのなら、それでもいいけどーー











あっと、ちょっと愚痴りすぎました、すみません、それでは戻りますね











ティモール

ゲコゲコゲコゲコゲコーーーーーーーー!






















続く……

ついてても異世界なら良いんじゃない? その後の顛末

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