失礼します、榊将軍。そろそろ出立の時間です

榊 十四郎

……ああ、すぐ行く

榊 十四郎

…………

榊 十四郎

静かなものだな……

榊 十四郎

風音も港に到着する頃だろう。ディスナティの横腹を俺達が突ければ、十国の勝利だ……

榊 十四郎

それが、神に定められた脚本……

今からでも遅くはない戦争を止めてくれないか

榊 十四郎

なに?

榊 十四郎

…………

榊 十四郎

……幻聴だ

どうか戦などお止めください……榊将軍

榊 十四郎

……すまない、ソール

榊 十四郎

俺は……神には逆らえない

榊 十四郎

全員、用意はいいか?

いつでも問題ありませんぞ、将軍!

榊 十四郎

よし、これより港に向かい、船に乗り換えてディスナティを挟撃する!俺に続けー!!

榊 十四郎

ソール……君には感謝をしてもしきれない

榊 十四郎

謝罪をしてもしきれない……

榊 十四郎

子供の頃にディスナティに渡り、君と出会えたことは奇跡としか言いようがない

榊 十四郎

別れの時に離れたくないと殴り合ったこともあったな

榊 十四郎

ここで再会できたのも、私は本当に嬉しかった……。子供の頃のように一緒にいたかった

榊 十四郎

だが、俺も君もずっと子供のままではいられなかった

榊 十四郎

ソール……許さなくていい。俺は親友と国を天秤にかけても決めることができなかった。結果的に君をこんな形で突き放してしまった。最悪な形で別れてしまった

榊 十四郎

だから、恨んでいい。弱かった俺を嫌ってくれていい

榊 十四郎

けど、もし対峙したその時は――――

将軍!前方に人影が!!

榊 十四郎

なに!?

我が第一魔法源を解放せよ!魔剣・クロワ・アルシュ!!

榊 十四郎

お前は…………!!

ソール・グルナディエ

…………

ソール・グルナディエ

止めに来たぞ、十四郎

pagetop