~序章~

ラディア大陸には大小20もの国があり、それぞれの国は数十年に渡り戦を続けていた。余りにも戦が続き過ぎた為、人々は誰が何の為に戦を始めたのかすら忘れかけており、またこの戦を利用して利を得ようとする傭兵稼業が横行していた。しかし―――何の因果かそれとも神の悪戯か、大陸の数カ所に局地的な大地震が発生し、その土地の国が驚異的な打撃を受けた。それは今まで拮抗していた戦力のバランスに変化が生じるに値する程―――。



そして20もあった国は6つの国だけとなった。

生まれた時から戦をしていたと言われてる戦神アレム率いる【聖ファラール国】

一度鞘から剣を抜けば、その剣戟から逃れる術はないとまで恐れられる無敗の剣を持つルディ率いる【ヴァルハリア国】

自らを世界を創造した神パテムの使いだと言い、世界の至る所に突如姿を現すヴィラチ率いる【パテム神軍】

人徳と武力を兼ね揃え圧倒的なカリスマ性を持つ十六夜率いる【天地国】

世界を新しく作り直さねばならないと人々に訴え、自らが操る奇妙な術を使い様々な奇跡を見せる偉大な教祖メテオトール率いる【太陽術新興軍】

圧倒的な暴虐で人々に破壊神とまで恐れられる帝王トリカ=ステラ率いる【アルバウス帝国】

―――ラディア大陸全土で続いていた長き戦がついに終結へ動き出した。

それから三年後。
ラディア大陸の戦況は【聖ファラール国】と【ヴァルハリア国】の二強となっていた。互いの力は五分と五分。
しかし、この戦いで大陸を統一する国と王が決まる。
長き戦に加担してきた傭兵達も、この最後の戦にどちらの国に加担するか、それぞれの思いが交差していた。

pagetop