朝からテンション高いこいつとは違い、俺たちのテンションは最低値を示していた。
朝5時から司令室に呼ばれ、おまけにこのテンションだ。
さて、昨日はよく寝れたかな?
朝からテンション高いこいつとは違い、俺たちのテンションは最低値を示していた。
朝5時から司令室に呼ばれ、おまけにこのテンションだ。
あれ? 信也君だったか?
顔色が悪いような気がするのだが、どうかしたのかい?
いえ、何でもありません……。
そう、昨日信也はあのまま瑞希たちが入る大浴場に行き、覗きを決行しようとした結果、見事にばれてしまい、容赦の無い攻撃を三人からくらったのだ。
まさに自業自得とはこのことだ。
そうか。てっきり大浴場に覗きに行ってばれたのかと思ったよ。
「こいつ、勘が鋭いな。」
この場にいる全員がそう思った。
じゃあ改めて、私の名前は霧裂 聡史だ。
ここの司令長を務めている。ここでの研究は、皆がここに来るときにも見たと思うが、灰色の霧についての研究だ。
皆には、今までの研究成果と今回の依頼について、まず工場見学をして貰おうと思う。
霧裂は眼鏡を指で整え、俺たちに笑ってみせた。
見学ですか?
ああ、そうだ。
これから、依頼を受けて貰うためにも、まず、基礎知識が必要だと思うんだ。
何か分かったんですか?
ああ。だが、これは最重要機密だから、決して他言しないでほしい。あらぬ混乱を招きかねないからね。
真剣な表情をした霧裂の顔が、霧の情報の重大さを物語っていた。
前置きはいいから、早く案内してくれよ。
こっちは凄く眠いんだけど……。
俺は、大きくあくびをした。
その眠気も一気に吹き飛ぶと思うよ。
そう言って、霧裂は俺たちを研究棟に案内した。
研究棟に入った俺たちは、その光景に圧倒された。
ここは、研究棟というよりは、博物館と言ったほうが正しいような。
天井が高く、床は大理石でできていた。
この研究棟は、博物館だったところをそのまま使っているのか?
ああ、その通りだ。
ここは元々、博物館だった場所だ。
人が居たときは、それなりに賑わっていたようだけど、見ての通り、街は灰に多い尽くされてしまって、人も居なくなってしまったからね。ありがたく使わせてもらっているよ。
それより、皆に見せたいのはこの奥なんだ。
霧裂は、奥の大きく頑丈そうな扉を開いた。
そこは、今まで居た空間とは違い、大きく開けた空間で、中央には、七色に輝く、巨大な結晶の塔が聳え立っていた。