中央管理指令都市についた俺たちを迎え入れてくれたのは、霧裂 聡史だった。
こいつは親父の後輩で、親父のチームメイトでもある。知識力や分析力においては、尊敬するしかないくらい類い希な才能を持っているが、何でも実験をしたがる性格で、俺はこいつが嫌いだった。
更に、チームメイトである霧裂 静香の実の父親で、最低な父親という新しい情報が入り、ますます霧裂 聡史という人物が嫌いになった。
中央管理指令都市についた俺たちを迎え入れてくれたのは、霧裂 聡史だった。
こいつは親父の後輩で、親父のチームメイトでもある。知識力や分析力においては、尊敬するしかないくらい類い希な才能を持っているが、何でも実験をしたがる性格で、俺はこいつが嫌いだった。
更に、チームメイトである霧裂 静香の実の父親で、最低な父親という新しい情報が入り、ますます霧裂 聡史という人物が嫌いになった。
今日はここでゆっくり休むといい。
俺たちを部屋の前まで案内した霧裂 聡史は、振り返って言った。
あの、今日の仕事はないのですか?
ああ、明日の施設見学も兼ねて、依頼の内容も話すよ。
言葉で言ってもわかりにくいだろうからね。
「百聞は一見に如かず」だよ。
そ、そうですか。
じゃあ、また後でね。
そう言って 霧裂 聡史は来た道を戻って行った。
俺たちは、用意された部屋に入り、それぞれ荷物を置いた。部屋の内装は、旅館によくある和風の大部屋だった。
どうやら、あいつは、年頃の男女を同じ部屋に寝かせることに何も思わないらしい。更に言うと、あいつの実の娘である静香も同じ部屋に寝かせるということになる。
娘が心配ではないのだろうか。
父がすみません。今から言って部屋を別々にしてもらいます。
静香が部屋を出ようとする。
大丈夫よ。
たまにはこういうのもいいんじゃない?
それに、小学校で行った合宿を思い出すわ。
そうだな。たまには良いかもな。
静香に気を使ったという訳ではないが、形がどうであれ、親子が初めて会うことができたというせっかくの良い機会だ。静香もゆっくりしてほしい。俺たちの意見はみんな同じだった。
なあ、ここの施設、大浴場とかあるらしいぜ!
机の上に置いてある施設案内図には、大浴場の文字が書かれている箇所があった。
え!? 見せて!
案内図を信也からぶんどった瑞希は目を輝かせて立ち上がった。
こ、これは……。
この規模、相当大きいわ。
希、静香!
は、はい!
わかってますよ……。
覗くなよ!
俺と信也に釘を刺しつつ、瑞希は二人を連れて大浴場へと走り去って行った。
で、二人になってしまった訳なんだが、優斗に聞きたいことがある。
何だよ。
あいつらを追い出してまで話すような事があったか?
希のことだ。
真剣な表情で、信也が俺に聞いてきた。
何を聞きたいんだ?
希のこと、おかしいと思ったことはないのか?
無いと言ったら嘘になる。
でも、俺は仲間を疑うことはしたくないんだ。
お前、まだ引きずってるのか?
信也は忘れたって言うのかよ!
そんなこと言ってないだろ。
ただ、過去にとらわれ過ぎて今の状況に支障をきたすぐらいなら、そんな過去は捨て去った方が良いと思うんだ。
よくもそんなことが言えるな!
あの人が死んだのは、俺たちにも原因があるんだぞ!
ああ、そうだ。 原因は俺たちにある。だから、それを繰り返さないようにするためにも、慎重に動かないといけないんじゃないか?
……。
……監視は、俺がやる。 優斗は今まで通り希と接していればいい。
今のお前にはつらい役目だろうからな。
……わかった。
さて、俺は早速、監視の任務についてくるわ。
信也が、そう言って立ち上がる。
俺は、知らないからな。
もし見つかって、瑞希に何をされたとしても、俺は助けないからな。
大丈夫だって。 そんなヘマはしないさ。
信也は部屋を出て、大浴場の方へと歩いて行った。