そんなこんなで
小野神社の神主さんに
アドバイスを受けた橋本兄妹は
その翌週に福島の実家に
稲荷神社を見に行くことになりました。









そしてあいにくの大雨。


我々兄妹の段取りが悪い、
自分勝手だムカつくと
悪態をつく還暦の母親に
無理矢理車を走らせ

ウワサの稲荷神社跡地へと
向かいました。









そして沼地と化した畦道を
ぐちゃぐちゃと進軍し、









チクチクする竹藪を
分け入っては
蜘蛛の巣や
鋭利な葉っぱや
小枝に切り傷を受け、




妹(マリナーラ)

痛い!もうやだ、くる帰る!

橋本ピッツァ

ふざけんな。お前が来るって言ったんだろうが責任とれ!

私が一番面倒くさいよ!何で仕事休んでまでワケわかんない事タダで手伝わされなきゃならないんだよ!

橋本ピッツァ

それはたしかに

妹(マリナーラ)

それはたしかに






そうこう揉めているうちに
何とか跡地に辿り着き、

更地に足を踏み入れた瞬間




橋本ピッツァ

ひぃ!俺の右手が!!




急にビリッと電気が
走ったかのように指先しびれたのです。


触れてはいけない結界に
足を踏み入れてしまった
ような感覚でした。




橋本ピッツァ

こなくそ、やってやんよ

橋本ピッツァ

ひぃ!今度は右足が…何かスゲエ怖い

妹(マリナーラ)

一人で何してんの?
ざまあ、ウケる!!

妹(マリナーラ)

・・・そう言われてみればくるの左肩も何かじーんてなってる

よくわかんないけどさっさと終わらしてよ

橋本ピッツァ

これ以上ボーっと突っ立って長居するのは危険だ。さっさとお神酒とお供えして、頭下げて帰ろう!!

止めろよ何言ってんだよ!
誰もいない荒れ地にお供えなんかしたらタダのゴミ捨てと変わらないだろう!?
酒カップも持ち帰らないとダメだからね?

橋本ピッツァ

ごもっとも。
じゃあ、とりあえずお神酒まき散らすからみんな、下がって!!

橋本ピッツァ

でーぃ!!

ていうか、もっとゆっくりかけろよ。バカじゃないの?いっつも自分勝手なんだから

妹(マリナーラ)

ふん!今のヤツくるの靴にちょっと掛かった!弁償しろ!!

橋本ピッツァ

我慢しなさい!ほら二人ともさっさと手を合わせて退散するぞ!せーの
















ご先祖様、御キツネ様、ウチの一族が長年神社をほったらかしにして申し訳ありません。どうか変えるべきところにお帰り下さいませ。

(※この文言で合っているのは全く定かではない)




そして帰り道。




その足で
おじいちゃんのお墓掃除に向かい、

お線香をあげている最中になんと




あれ、何か晴れてきてない?





降水確率100%予報の大雨が
急にパタリと止んだのです。




橋本ピッツァ

ホントだ。何か神々しいなあ

妹(マリナーラ)

すごくね?きっとキツネ様のパワー

橋本ピッツァ

だといいな。
まあ、あのやり方で正解だったかは不明だけど、とりあえず今俺たちのベストをやり切ったのは間違いない



















そしてその先祖参りから丁度一か月。
一族の身に起こった事を振り返ってみると

○自分
・給料が上がる
・賄い弁当が支給される
・久々のパチンコ月間収支プラス
・信用していた47歳新人アルバイトが急遽いなくなるが何故か自分のシフト条件が向上
・相変わらず女性の縁はない
・病的なペースで柿を食べ続けている
・店内に入って来た蜂を殴り倒そうとしたら右拳を骨折したらしく未だに痛みが引かない。



○妹
・潤沢な貯金を少しだけ切り崩しつつ、悠悠自適な無職
・半年ぶりの合コンが決まる
・とにかく良く寝ている
・笑いに厳しすぎて自分の笑顔に陰がある



○母
・毎日何かしらに怒っているけれど、介護という名目でお婆ちゃんの年金としょっちゅう休むけど何故かクビにならない謎のバイトを続けながらぬくぬく生きているように見える。
毎月1万のジムに全く通わずブクブク太っている。
要は現状維持。



○シズ子
・米寿を迎えた今年、頬の皮膚に腫瘍が見つかって現在検査中。
本人は現世にほぼ未練は無いため、のほほんとしているが、これこそ今回の先祖参りの真価が問われる案件だと僕は注目している。



○従兄弟たち
橋本兄妹を取り残して実家暮らしでほぼ自立してないクセに次々結婚していくのがだいぶ鬱陶しい。
幼少期にあんなに仲良くしていたのがウソのようだ。とりあえず自分たちの目に見えないところで勝手に仮初の幸せをがんばって維持してほしい。




橋本ピッツァ

とまあこんなところです。
僕はたまたまかもしれませんが金運に心地よいプラスがありました。

みなさんも何となく自分はツイてないなあなんて思った時はキナ臭いご先祖様、ないし親戚のケアをしてみて下さい。

割といろいろ家系の事が判って、すっきりして楽しかったです。




お終い


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