……と言うことで

今年もハロウィンがやってきました。
それぞれ、これだ! と思う逸品を持ってきてください

皆さんが一回りも二回りも大きくなって帰ってくることを期待していますよ

がんばってきてくださいね

はーい

























【1】

































10月。


もうすぐ
ハロウィンがやってくる。

ねえねえ、どこにいくか決まった?

あちこちの町で

「Trick or treat!!」

って声が聞こえることだろう。


でもボクらの町は
ちょっと違う。

あたしはパキパキ村に行くつもり。
おばあちゃんがいるから楽勝だよ

それ、ズル

そうだよー。
大人に手伝ってもらうなんてさぁ

ボクらの町では

ボクらの歳にだけ

今の時期に行われるイベントがある。

10歳になったら町を出て
たったひとつ、

「これだ!」

と思うお菓子を
ハロウィンまでに持ち帰ってくること。


っていうもの。



違うもん!
おばあちゃんに教えてもらって、1番おいしいパンプキンタルトを焼いてくるんだ!

うっわー
不器用なパオラに作れるのー!?
素直に旅に出たほうが早くない?

だってパパもママも
「外の世界は危ないから、おばあちゃんのところで修行しなさい」
って言うんだもん

……それはあるかも。
外は誘拐とか戦争とか物騒らしいもんね

うん。獣人は特にね。
捕まって売られちゃったりするんだって

あ、でもウチは外に出るつもりだけど。
このあたりのお菓子はあらかた集まっちゃってるから意味ないしさぁ

そうなんだよねー。
どうせなら皆があっ! と驚くのを持ち帰ってみたいよね

ほら、だからやっぱりお手製がいいよ。
♪世っ界でひ~とつだ~け~の~
ってやつ






持って帰ってきたお菓子は




星くず山に埋められて
何年もかけて、大きな木になって











お菓子の実を実らせる。







毎年この時期になると
そうして何年も何十年も前に
植えられた木に一斉に実がなって

と、鈴のような音を立てる。



ルチオは?

うん、ボクも外に出ようと思う

……そっか





























あ、マギー先生だ!

はい皆さん、ホウキを取りに来てー

はーい

ボクらは
先生から魔法のホウキを受け取った。



ホウキには飛行呪文がかけてある。

魔法が使えないボクらでも
遠くまでいけるように。

遠い町からでも
帰って来られるように。





これでボクらは
外の世界に

文字通り飛び立っていく。





いざ行かん! まだ見ぬ世界へー!

大袈裟だなぁ

……無理しないでね

うん


















こうしてボクらは
夜の空に飛び立った。

(持ち物にホウキが追加されます)











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