心霊アパート
其の九
















不可解な物音のあと、いつの間にか眠りについていた私。


























妙だ。







誰かが私を呼んでいる気がする。







誰だ?







私の手を掴むのは……







何が言いたい?







一体、何なんだ…!?




































目覚ましの音で目が覚めた。







何か変な夢を見てしまった。







寝ぼけ眼で何気なく部屋を見回す。







昨夜はあれから何事も起きなかったようだ。




















布団から起き出し、とりあえず歯を磨く。
















その時であった。
















どこからか視線を感じる。







押し入れからだ。







私が押し入れの方に向き直り、歩み寄ろうとした瞬間……









カズリー

!!








押し入れのドアが、勝手に開いた。







思わず後ずさりする私……







ドアは向かって右側だけが全部開き、まるで何かを呼んでいるようであった。






私は恐る恐る押し入れに近づき………










…押し入れの左側も開ける。












建てつけの悪いドアは、鈍い音を立てて完全に開いた。







そこにはいつもと変わらない古い布団と、新聞紙の山。







先ほどまでの視線は、いつの間にか感じなくなっていた。

















それからは何事もなく最終日まで研修に行き、何事もなくアパートを後にした。




















アパートを発つ夕方、焼けるような夕陽に照らされた部屋。







なにか「帰るな」と言われている印象を受けた。







私は荷物の片付いた部屋を一瞥し、岐路に着いた。

















ー後日談ー








職場に戻り、このアパートで起きた出来事を同僚に話していた。






すると、私の前にこの部屋に入っていたAが一言。




同僚A

お札、どうした?

カズリー



お札?








あの部屋にはそんなものなかった。






いや、むしろあってしかるべき部屋だったので、無い方がおかしいか。





Aにお札はどこに貼ってあったか聞いてみる。




カズリー

俺は見つけられなかったけど、どこに貼ってたん?

同僚A

え!?
お前マジで言ってんの?
めっちゃ目立つとこに貼ってたやん!

カズリー

え!?
全然気がつかんかった。
どこにあったん?

同僚A

居間があったやろ?
その部屋の押し入れの中。

カズリー

………………。


えっ!?

同僚A

あっ、そういや不気味だったから新聞紙で隠したんだったわ。

お札を剥がそうとしたけど、裏に長い髪の毛がくっついてたからやめたんだよ。

カズリー

………………!

(サーーーー(青ざめる音))














ぎいぃぃぃぃ…





バタンッ









ー終わりー












カズリー

やーーー
というわけで長々と続きまして、この話は終了とさせていただきます。

沢山の人が読んでくれたみたいで、俺も嬉しかったです!
みんな、ありがとう!

ももママ

いやー
終わった終わったー。

コキ、コキ。
(肩をほぐす音)

カズリー

あ、前から言ってたけど、オチがあまり怖くなくてごめんね。

同僚Aから聞かされた後日談にはゾッとしたけど。。

ももママ

いや、めっちゃ怖かったスよ。
てか押入れからズリズリ床を這う音を聞いた時点で、私ならとっくに気絶してるわ。



そして……

そのまま私は…

目覚めることは…

なかっ……………

カズリー

やめてw
そんなシャレにならんオチを勝手に作らないでw

カズリー

てか、同僚Aの奴ありえんでしょ?w
これでAは心霊体験してないって言うからねw

ももママ

そうなの!?
A氏って霊感ゼロの上、引き寄せないタイプなのかな?

カズリー

そうなのかもね~。
まず、お札を見つけたら剥がそうっていう考えが分からんw

ももママ

てか、お札を見つけた時点で住むのやめるよね。

カズリー

ですよね…。

それでは最後にオマケとして、俺がこの部屋に住んでいた頃のリアル押入れをお見せします☆






↓↓↓




カズリー

観音開きのタイプの押し入れです。

……あ、視える方からの「確かに写真からでもヤバイ気を感じるわ」といったコメントは無しの方向で…w

カズリー

じゃあまた何かネタがありましたら提供致しやす。

ひひひ。





















心霊アパート(其の九)

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