突然ですが、みなさんは近所に行ってはいけない場所なんてものはありますか?

これは、そんなお話……

今回は、この方に私の代役を務めて頂きましょう……


サイレン

以前、私の住んでいた町には
通称・サイレン屋敷といわれる民家がありました。

敷地も結構広くカナリ立派な家でしたが
その家の前を通ると早朝だろうと深夜だろうとサイレンを鳴らされるという、近所で問題の家でした。

なんでもその家には、おばあさんが一人で暮らししているそうなのですが、旦那さんが亡くなり親戚との遺産相続で精神的に病んでしまい、誰かが自分を殺しに来るという妄想にとらわれてしまったそうで、町内の人は随分頭を悩ませていました。


家の前は有刺鉄線で囲われ……

壁中に張り紙がされてありました。

中でも多く貼られていたのは……

『ミテルゾ』という言葉の書かれた貼り紙でした。

ある時、私は仕事で帰りが遅くなってしまいました。
終電で地元の駅に着き、いつもはそこからバスに乗るのですが、終バスはとっくになくなっており、徒歩で自宅へと向かいました。

時間は午前一時過ぎ。

その道を通ったのは、単純に近道だったからです。

気が付くと、例の家の前でした。

最近、サイレン聞こえなくなったよな……

その頃、ようやく役所の人や町内会の人たちの説得からかその家からサイレンの音が聞こえなくなっていた頃でした。

なんかやっぱ気味ワリィっ……

シンと辺りは静まり返り、すぐ目の前の小さな横断歩道にある信号だけが辺りを照らしていました。

アノ張り紙、気持ち悪いよな~……

その時────



不意に目に入ったのはアノ『ミテルゾ』の貼り紙。

…………?

何かに違和感を覚え、貼り紙の貼ってある場所を私はじっと見つめました。

鉄製の門扉に貼られた貼り紙と貼り紙の隙間……

だいぶ、暗闇に目も慣れ、信号が赤から青に変わった時です。

なんだ?

闇の中に

はっきりと


コッチを──

うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!

私は走ってそこから立ち去りました。

その数日後、おばあさんは亡くなりました。

あの時、私を見ていたのは誰だったんでしょう……?

おばあさん?

それとも……

さて、今回でこの
『ニ・ン・ゲ・ン・コ・ワ・イ』も最終回でございます。

皆さんも、気を付けて下さいね……

次に怖い目に遭うのは皆さんかもしれません……

何故なら、一番怖いのが人間なら
その人間なんですから……

私たちは……

ニンゲンコワイ……

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