そんなことがあっても


なにも手を出すことは出来ず


せめてもと




枕元から

箪笥の上に


人形を移す



洋間に入れたところで




また戻ってくるだろう



そのときの



おぞましい思いをすることを



考えたら



はじめからこの場所に


置いておいたほうが



幾分精神的にはましだろう




布をかぶせて
































夜はふけ



虫の鳴き声が響く



時計の針の音も

部屋に響き渡るほどの静寂









何の音だ…

人形の箱が揺れている…


もちろん地震ではないし


誰かが揺すってるわけでもない

ふと



人形に目をやると







カタカタ揺れていたのが


急に止まったと








思った刹那















人形の箱が


スーーーッ






平行に滑るように動いたかと思ったら

人形が

“真下に”

おちた

そんな勢いで

落ちたにもかかわらず



ガラスの破片は

飛び散ることもなしに



全てその場に落ちた


粉々に砕けて


















少し考えてみてほしい


ルパン三世とかのアニメの描写では


時として見られるが



棚の上から


横にずれたとして




物理的に真下に落下する



そんなことはありえない

通常


このように↓

端に箱が行った場合

このように横倒しになって



横向きに落ちるはず



でもこの人形の箱は



そのまま底面が


全て張り出すところまで


並行に滑って


そこから


真下に落下した


しかも



ガラスの破片は

飛び散ることなく


粉々にくだけて

その場におちた





全てが


物理の法則を無視した出来事



流石に怖くなった…



ガラスの破片も飛び散っていないので


怪我の心配は殆どない




そのまま…


朝を迎えることになった

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