ソール・グルナディエ

ふぁ………

マジー・プリエール

おはようございます。お寝坊さんっすね~先生は。シャルムはもう出て行きましたよ

ソール・グルナディエ

……どれくらい前だ?

マジー・プリエール

んーと、20分くらい前っすかね

ソール・グルナディエ

分かった。そっちはどうだ?

マジー・プリエール

………超しんどいっす

ソール・グルナディエ

そうではなく

マジー・プリエール

いやいやいや、何百キロも離れた船の動きを索敵魔法で監視するって、結構な重労働っすよ。飛べる範囲まで来たら転送魔法使えるだけの余力も残さないといけないし

ソール・グルナディエ

だが、その顔は何か掴んだ顔だろ?

マジー・プリエール

ご明察。一人以前索敵した人がいたんすよ。それさえ分かれば索敵でサーチできるし、これが無かったら索敵めんどくさいどころじゃなかったっす

ソール・グルナディエ

………色々大変なんだな、索敵って

マジー・プリエール

……あの、その「自分は学ばなくて良かった」的な発言止めてもらえます?心折れそうになるんで

古森

水男殿、起きたか?

ソール・グルナディエ

ああ。いつでもいいぞ

古森

若奈

若奈

…………ソールさん

ソール・グルナディエ

若奈……

若奈

死なない………よね?

若奈

ソールさんも……将軍様も……死んじゃったりしないよね……?

ソール・グルナディエ

…………

マジー・プリエール

………

ソール・グルナディエ

……若奈、戦争というものは必ず死人が出る。勝っても負けても、残るのは亡くなった人の無念だけだ

若奈

じゃあ…………っ

ソール・グルナディエ

だが、今回は違う。戦争が起きる前に、私が止めて見せる

ソール・グルナディエ

だから、若奈は信じて待っていてほしい。私を信じられるか?

若奈

………うん。信じる。ソールさんなら、信じられる

ソール・グルナディエ

ありがとう、若奈

古森

水男殿、そろそろ行こうか

ソール・グルナディエ

……ああ。マジー、そっちは頼んだ

マジー・プリエール

あいよ。お任せくださいって

若奈

行ってらっしゃい、ソールさん!

古森

水男殿、一応言っておくが

ソール・グルナディエ

なんだ?

古森

嫁にはやらんぞ!

ソール・グルナディエ

何の話だ!!

シャルム・ソー

2日ぶりかな、お兄さん

シャルム・ソー

チョコレートファウンテンありがとうね♪

榊 風音

さっきの落石は………君の仕業か?

シャルム・ソー

冗談言わないでよ。こんな小さな子供に岩を落とせると思ってるの?

榊 風音

………それもそうか?

シャルム・ソー

ごめん、さっきの嘘。そっちの考え通り、岩を落としたのは僕だよ

榊 風音

………君はいったい誰なんだ?

シャルム・ソー

僕はシャルム・ソー。ソール・グルナディエ先生の二番弟子

榊 風音

ソールさんの!?

榊 風音

ということは、ディスナティの斥候部隊ってわけか……

シャルム・ソー

残念ながら違うよ。僕達はディスナティとは関係ない

榊 風音

関係ない……?

シャルム・ソー

そう。僕達は十国とディスナティの戦争を止めるために来た。他の誰でもない、先生のために

榊 風音

……まさか、ソールさんのためだけに戦争に介入しに来たのか?

シャルム・ソー

まあね。結果的に落石で道はふさがってるし、部隊のみんなは馬ごと崖から落ちちゃったし、残るのはお兄さんだけ。ここまでは僕の予定通り

榊 風音

意外とエグい策を使うんだね

シャルム・ソー

別に、皆殺しにしていいんだったらもっと強力な魔法で一気に襲い掛かればいいだけの話だし、こっちとしては大分マイルドなつもりなんだけどな

シャルム・ソー

さて、お互いに時間も惜しそうだし、本題に入ろうか。こっちとしては回れ右して退散してくれれば言うことないんだけど……

榊 風音

……残念だけど、僕も軍を率いて副将軍という肩書をもらっているくらいだ。簡単に退くなんてことできるわけがない

榊 風音

どうしても進ませないつもりなら、子供だからって容赦しませんよ

シャルム・ソー

………まぁ、こうなるとは思ったよ

榊 風音

榊風音、参ります!!

シャルム・ソー

仕方ない……

シャルム・ソー

それっ!

シャルム・ソー

勢いが消えてない!?

榊 風音

ソールさんに使った時とは違いますよ!あの時は殺すつもりなんてありませんでしたし、手加減くらいします

榊 風音

けど、今は違う!十国の障害になり得るものは、僕が消さなければならないんです!!

シャルム・ソー

ヤバい、間に合わない!!

榊 風音

さぁ、吹き飛んでもらいますよ!!

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