上条 智也

…俺天才じゃね…

久しぶりに作った割にはうまくできた卵粥。
1年前、泉に好評だったので迷わずこれにした。とりあえずテーブルを片付けてセッティングする。
泉を起こそうと、部屋の前に立つとかすかに聞こえるうめき声。

上条 智也

……ッ!……泉!!

急いでドアを開け、泉を揺り起こす。
目を閉じたまま、顔をしかめて、ガタガタと震えている。

上条 智也

泉、起きろ…!泉!

永音 泉

……っ!!

上条 智也

大丈夫か…?
……っとぉ!

目覚めたことに安心するも、すぐに泉は抱き着いてきた。

上条 智也

これは…予想外っていうか……

その震える背中を軽くたたいてやると、更に強く服をつかむ手に力が入った。

永音 泉

トモ……、いなく、ならないで、ね

上条 智也

お前に言わずにどっかいかねーよ

永音 泉

ひとりは、いやなの……

上条 智也

そうか、寂しくさせてごめんな

永音 泉

うぅ……

泉の瞳に、水の膜が張ってきている。
その瞳をごまかすかのように、目を何度もこすっている。

上条 智也

あ~、こら、擦るな!赤くなるだろ?

永音 泉

うぅぅぅ……ッ

上条 智也

大丈夫だから、ちゃんといるから

俺の服をぎゅっと握りしめたまま、いやいやと首を振る姿はまるで幼い子供。
こんな泉はレアだ。初めて見た。
しっかりと手を握ってここにいることを伝えると、安心したのか顔をちゃんと合わせてくれた。

上条 智也

ん、落ち着いたか…?

永音 泉

っあ、ごめ、

上条 智也

いいよ、大丈夫だから

永音 泉

ん……

頭を撫でてやると、スリスリと猫のようにすり寄ってくる。
いつまでもこうしていたいが、そういう訳にはいかない。

上条 智也

おかゆ作ったけど食う?

永音 泉

うん、食べれる

上条 智也

なら、行くか

永音 泉

……うん

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