久しぶりに作った割にはうまくできた卵粥。
1年前、泉に好評だったので迷わずこれにした。とりあえずテーブルを片付けてセッティングする。
泉を起こそうと、部屋の前に立つとかすかに聞こえるうめき声。
…俺天才じゃね…
久しぶりに作った割にはうまくできた卵粥。
1年前、泉に好評だったので迷わずこれにした。とりあえずテーブルを片付けてセッティングする。
泉を起こそうと、部屋の前に立つとかすかに聞こえるうめき声。
……ッ!……泉!!
急いでドアを開け、泉を揺り起こす。
目を閉じたまま、顔をしかめて、ガタガタと震えている。
泉、起きろ…!泉!
……っ!!
大丈夫か…?
……っとぉ!
目覚めたことに安心するも、すぐに泉は抱き着いてきた。
これは…予想外っていうか……
その震える背中を軽くたたいてやると、更に強く服をつかむ手に力が入った。
トモ……、いなく、ならないで、ね
お前に言わずにどっかいかねーよ
ひとりは、いやなの……
そうか、寂しくさせてごめんな
うぅ……
泉の瞳に、水の膜が張ってきている。
その瞳をごまかすかのように、目を何度もこすっている。
あ~、こら、擦るな!赤くなるだろ?
うぅぅぅ……ッ
大丈夫だから、ちゃんといるから
俺の服をぎゅっと握りしめたまま、いやいやと首を振る姿はまるで幼い子供。
こんな泉はレアだ。初めて見た。
しっかりと手を握ってここにいることを伝えると、安心したのか顔をちゃんと合わせてくれた。
ん、落ち着いたか…?
っあ、ごめ、
いいよ、大丈夫だから
ん……
頭を撫でてやると、スリスリと猫のようにすり寄ってくる。
いつまでもこうしていたいが、そういう訳にはいかない。
おかゆ作ったけど食う?
うん、食べれる
なら、行くか
……うん