マジー・プリエール

先生、ちょっといいっすか?

ソール・グルナディエ

………あぁ

風ノ助

あっ……どうも

マジー・プリエール

風ノ助さん……でしたっけ?先生が世話になったそうで

風ノ助

いや……俺達の方が一杯世話になってるけどな

ソール・グルナディエ

だから、私はゴーレムを倒したくらいしかしていないというのに

風ノ助

何言ってるんだよ。あの土人形をソールさんが倒してくれなかったら、今頃俺達は生きてなかったのかもしれないんだぜ。いわば命の恩人だ

風ノ助

受けた恩は返すのが、十国の男だぜ

ソール・グルナディエ

……まぁ、それでもいいけどな

ソール・グルナディエ

それで、マジーは一体どうした?一緒に寝てほしいのか?

マジー・プリエール

シャルムと一緒なのに、これ以上男と寝たくないっすよ。俺が来たのは確認っす

ソール・グルナディエ

確認だと?

マジー・プリエール

先生、本当にディスナティと戦うつもりですか?

ソール・グルナディエ

………どういう意味だ?

マジー・プリエール

よく考えてみたら、ディスナティには十国に対するスパイ疑惑と、迎撃っていう名分があります。一方で、十国には自国の大使を殺された動機もあるし、その復讐戦という動機もある

マジー・プリエール

逆に言ってしまえば、互いに相応の理由があるからこそ先生の立場は危ういんです。仮にディスナティと十国どちらが勝ったとしても、先生はつぶされてしまいます。なにせ、この戦いにおける不純物ですから

風ノ助

不純物って………

マジー・プリエール

第三勢力って言っちゃえばカッコよく聞こえるけど、戦争する十国とディスナティからしてみれば邪魔でしかないわけだから。しかも実質3人ですからね

ソール・グルナディエ

つまり、何が言いたいんんだ?マジー

マジー・プリエール

……だから、ここで下手に第三勢力気取ってたら、万が一どうするのかってことっすよ!ディスナティが勝っても負けても、先生は後ろ盾を無くすことになるんすよ!

風ノ助

そうか……ソールさんは十国とディスナティ両方と戦って衝突を避けようとしている。けど、それは十国とディスナティにとっても敵になるってことか

ソール・グルナディエ

マジー、私はそれでも構わない

マジー・プリエール

は?構わないって――――

ソール・グルナディエ

お前達にも無理に出ろとは言わない。これは突き詰めれば私の私情だ。究極私一人でやるつもりだった

マジー・プリエール

………どうして、そこまでするんすか?

マジー・プリエール

この村の人に助けられたからっていうのは分かります。でも、それはディスナティを通じても恩返しができるんじゃないですか?無理に第三勢力にこだわらなくても………

ソール・グルナディエ

違うぞ、マジー。この村に恩があるだけじゃない

ソール・グルナディエ

アイツの手で、ディスナティの血を流してほしくなかった。それだけだ

風ノ助

アイツ………?

ソール・グルナディエ

そして、十国とディスナティが戦争を始めたら、どのみち私達の知ってるディスナティは亡くなってるさ。少なくとも、十国との関係は一変するだろう

ソール・グルナディエ

それを、私は防ぎたい

マジー・プリエール

………なるほど。納得しました

ソール・グルナディエ

それで、どうする?戦いたくないのなら別の手を考えるが

マジー・プリエール

いやいや、ここで退いたらマジ何の確認に来たのか分からないっすから

マジー・プリエール

手伝いますよ、最後まで。無謀な先生の一番弟子としてね

ソール・グルナディエ

…………

風ノ助

良かったな、ソールさん

ソール・グルナディエ

………すまない

マジー・プリエール

やめてくださいよ今更。これからほぼ3人で十国とディスナティに喧嘩売りに行くんすよ?

マジー・プリエール

生きて帰ってこれた時に、労ってくれれば十分っすよ

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