ミラ

着いたよ

エレベーターが停止し、広間の奥にあった扉が開いた

真矢

ここは?

真矢の目の前にあった光景は、どこに出もある一般的な女の子の勉強部屋だった。

ミラ

ある女の子の部屋だよ
これから女の子の生活を見ながら、どこをどうすればいいか考えてね。

真矢

この子がやってることで間違ってると思ったことを指摘していけばいいのね?

ミラ

そう
それと、これは生前にあなたがやってたことのいわばコピーだから、ちゃんとこれ見て反省すること
わかった?

真矢

はーい

時間が少し経った頃、ガチャリと音がし部屋の主が帰ってきた。

学校ホントめんどくさい~

真矢

あれ、アタシ?

ミラ

はい!
真矢さんのコピーです
なんと私の自作ですよ!

真矢

あなたから見て私ってあんな感じなの?

ミラ

そっくりでしょ?

真矢

ここまで明確にケンカ売られたの初めてかも

二人の雑談の届いていない真矢(仮)は何事もないかのように過ごす。

真矢(仮)が食べていたお菓子の袋をゴミ箱に捨てた時、ミラが声を発した。

ミラ

彼女、今ゴミを捨てたね?
何かおかしいことがあったことに気が付いた?

真矢

え?
何かおかしかった?

ミラ

はぁぁ……
これだからここに連れてこられちゃうんですよねぇ
ゴミの分別!
してなかったでしょ?

真矢

そんなちっちゃいこと?

ミラ

わかってないなぁ……
塵も積もればってやつだよ

真矢

はぁ……

その後も、やれ食事のマナーが悪いだの、手癖が悪いだの、姑のようなチマチマした指導が続いた。

真矢

うえぇぇ……
疲れたぁ……

ミラ

ずいぶんお疲れだね

真矢

そりゃそうよ
あんなグチグチ細かいこと言われたら誰だって疲れます!

ミラ

でもさ、君はこういう面での点数が多いんだよねぇ

真矢

点数って……
運転免許じゃないんだから……

真矢の言葉を華麗にスルーしながらミラは手元にあるリモコンを操作した。

その瞬間真矢とミラは元いた大広間に戻っていた。

多少のトンデモ現象にはなれていたつもりだった真矢も目をキョロキョロさせていた。

真矢

これで反省会はおしまい?

真矢が期待を込めて言うと、ミラはチッチッチと言いたげに指を振る。

ミラ

ここまでは君一人がやったこと。
今からは君が他人に対してやった迷惑行為を、やられた側になって体験してもらうよ。

真矢

どういうこと?

ミラ

君は生きている間に多くの人に迷惑をかけた。
その迷惑をかけられた人がどんな気持ちだったかを体験してもらおうってこと。

真矢

ふ~ん……
わかったわ

ミラ

じゃあ、行こうか
上へまいりま~す!

ミラの掛け声とともに大広間は上昇しはじめた。

To the next floor...

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