話を聞いてない2歳児にありがちなこと
話を聞いてない2歳児にありがちなこと
失礼。いきなりだがタイトルの間違いに気づいてしまった。
「話を聞いてない2歳児にありがちなこと」の『話を聞いてない2歳児』という表現は間違っている。
これでは「頭痛が痛い」と同じように二重表現になってしまうからだ。
「話を聞いてない2歳児」
「外に出た途端うんこする0歳児」
「なにもしない夫」
この辺りは全て二重表現になってしまうので注意して使う必要があるだろう。
ためになる国語の授業はこれくらいにして本題に移る。
わたしには、何もない所を見つめて「だれかいるお」とホラーなことをぶっこんでくるところ以外は全て可愛い2歳の娘がいる。
彼ら “2歳児” はとにかく人の話を聞かない。
右から入っては左から抜け、左から入っては右から抜け、鼻から入っては口から抜け、口から入っては尻から抜けるのだ。
彼らに「話を聞け」と言っても全くの無駄である。
「話をよく聞く2歳児」はありえない。
「痛くない頭痛」など存在しないのだから。
というわけで今回は、わたしにとって一番身近な2歳児であるわが娘との、ささやかなエピソードをご紹介していこう思う。
話を聞いてない2歳児にありがちなこと
ありがちなこと その1
同じことを何度も聞いてくる。
娘がわたしの話などちっとも聞いていないという根拠のひとつに、“同じことを何遍も何遍も聞いてくる”というのがある。
とりわけ、
これは?これは?
などはやつらの常套句である。
話を聞く気がないにもかかわらず、特定のブツに対して執拗な追求をしてくるのだ。
出された質問に対して、わたしが
さあ?
などと適当な返事をすると、
『さあ』しないの!
などとひどく怒られてしまう。つらい。
先日も以下のような会話をした。
ママー。パパは?
パパはお仕事だよ。
じいじばあばは?
じいじばあばもお仕事かな。
ママは?
ここにいるよ。
カニは?
海かな?海にいるよ。
パパは?(←ループ突入)
お仕事だよー
じいじばあばは?
お仕事だよー
カニは?
海だよー
パパは?
お仕事だよー
カニは?
お仕事だよー
ー以下、無限ループー
もういいだろう。
きみが質問を繰り返す間に、海にいたカニがネクタイをしめて仕事へ出かけてしまったではないか。
てかカニ?なんでカニ?カニが完全に “家族” のポジションで登場しているではないか。
2歳児の用意する迷路に迷いこんでは最後、簡単には抜け出せないのだ。
ありがちなこと その2
返事だけは一人前。
娘はいつも、返事だけはとてもよろしい。
○○ こはなちゃん!(娘仮名)
とフルネームで呼ぶと、
はいっ!
と元気良く返事を返してくれる。
しかしここからが問題なのだ。
やまだ たろうくん!
はいっ!
たなか よしこちゃん!
…はい。
さとう わたるくん!
は〜い
…。
ちょっと待て。キミは一体誰なんだ。
声色変えるサービスとかしなくていいから。
このように、適当な名前を呼んでもしっかりと返事を返してきてくれてしまうのだ。
わたしがちっちゃなオレオレ詐欺師の誕生を目撃した瞬間である。
ありがちなこと その3
解釈の仕方がユニークすぎる。
同じことを何遍も聞いたり適当に返事をしたりと、こんな2歳児であるが、こちらが言ったことに対して、なんとか話を聞いてくれることもある。
先日、家に帰ってから娘が靴を脱ぎ捨てているのを見て、
靴はちゃんと端っこに揃えて置くんだよー。
とわたしの靴が並べてあるところを指差して教えた。
するといつもながら、
はーい!
と、返事だけはよろしい。
また返事だけかな。
なんて思っていると、わたしの願いがいい加減届いたのか、娘がせっせせっせと靴を並べようとしている姿が見てとれたので、「おお」と感心してわたしは部屋に荷物を置きにいった。
ママ~!できたよ~!
すぐにお声がかかったので、わたしは玄関に見に行ってみた。
ユニークすぎるってば。
靴 in 靴という見事な二重表現をやってのけた娘にわたしはもう感服するしかないのだった。
どんな片付け本にもこんな斬新な方法は載っていない。
わたしも、「むしろこっちの方がいいか?」なんて思ってしまったものだからその日はそのままにしておいたのだが、翌日になって
やっぱあれ違うな
と思いなおし、「ここにこうやって置いてね~」と、詳しく指導を施し、事なきを得たのだった。
と、ここまでわが家の2歳児の実態解明にお付き合いいただいた皆さんに、このエピソードの総括として、重大な真実をお伝えしなければならない。
「くだらないことばかり書くわたし」も、
二重表現である。
ここ、テストにでるよ!
はーい!