あれから一体何年経っただろうか。

転勤から久々に帰る街は、ひどくさっぱりしていた。
挨拶も早々に外回りに出掛けた。
ただ単に、職場の空気が嫌だった。

外を歩くと、なんでもないただに自分に少しだけホッとした。

数分間歩いていると、喫茶店の前で足が止まった。

どこかで見慣れた喫茶店。
昔寄ったことがある程度だろう。

しかし、妙に気になって仕方がなかった。

特に急ぎに用もないし。
寄ってみるか。

店内には、人影はなく。マスターは新聞を読んでいた。
何気なしに、一番近い窓際の席に座った。

窓を見ると、忙しく歩きまわる人を見ている。
なんだか懐かしくて、ぼーっとしてしまった。

なんで懐かしいんだろう。
ぼーっと頭によぎった。

懐かしむっということは、「どこかで覚えてるということだ。
案外、しぶといものだな。君は

対面側の席にいつの間にかに座っている女の子。
温かいコーヒーを一口啜っていた。

自分の目の前にもコーヒーが置かれていた。

まぁ、飲め。少しは落ち着くぞ?
それともあれか?得体のしれないものは飲みたくはないか?

まぁ、どちらでも良いさ。
あまり関係のないことだ。が、やはり温かいものは温かいうちに飲むものだな。

君は一体?

……知らなくても良いことだ。
忘れたのならな。

そう言って、彼女は席を立った。

一体誰なんだろうか。

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