うわっ! 何だこれ。血だらけじゃないか。

 おーい! 誰かいないかー? うーん、誰もいないのか。困ったなあ。ここはどこだ? 見た感じ手術室っぽいな。ああ、あれだ。警察ドラマなんかでよく死体の解剖が行われているような場所だ。そんなに広くはないんだな。八畳くらいか。あれっぽくもあるな。何だっけ。「SAW」の地下室。っておいおい勘弁してくれよ。あの映画を見た後のご飯は味がしなかったんだから。夜も眠れなかったし。えー。嫌だなあ。

 ん? ああ、違う違う。よく見たら違うじゃないか。血じゃないよ。これペンキだ。あー、冷静になればそうだよな。血にしては血腥くもないし、鉄臭くもないもんな。ということはあれか? どこかの現代美術家が廃墟の一室を借り切ってペンキをぶちまけるアートにでもしたのかな。これは歪んだ現代の資本主義が生んだ行き場の無いリビドーのカタルシスですとか何とかいって。いいね。楽しそうじゃないか。

 ん? これ本当にペンキか? いや違う違う。やっぱり血だ。過酸化水素水をかけたら酸素が発生しそうな色合いだよこれ。ペンキじゃこの深みは出せないね。えー、まいったなあ。何の血だよこれ。人の血だったら嫌だよ。いや鶏の血でも嫌だけどさ。

 ん? 待て待て。これやっぱりペンキだ。間違い無いね。だって





使用背景:
Two blocks「水彩2」
https://storie.jp/creator/illustration/12051

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