芹羽

ほんっと相変わらず空気が読めないというかマイペースというか……

いつも通り
って感じね

芹羽と白粉はやれやれといった表情で灼の話を聞いていた

まぁ……それをわかってて付き合い始めたわけだし?
そのことに関して悟が悪いってわけじゃないんだけど……
そうなんだけど……

灼はあぁぁぁぁといいながら机に顔を伏せる。
仕方ないと割り切ろうという気持ちと、気づいてほしいという気持ちが灼の心に同居する。

私って……魅力ないのかな……

机に伏せたまま灼はもごもごと呟く。

芹羽

そんなことないでしょ……
あいつの性格上魅力がないなら絶対別れてるって

そうそう
鈍感でバカなぶん分かりやすいから

芹羽

「悟る」って言うより「悟られる」って感じだしね

二人は灼を励ますが、灼のマイナス思考列車はもう走りだしていた。

そうかもしれないけど……
でも……
好きの反対は嫌いじゃ無くて無関心だって……かのアインシュタインが……

いや、アインシュタインは言って無いと思う……

三人とも集まって何してんだ?

三人がガールズトークに花を咲かせているところに、その話題の中心で合った悟がやってきた

芹羽

でた、妖怪女泣かせ

なんの話だ?

芹羽

昨日のあんたのせいで、灼へこんでんのよ!?

俺のせい?

悟はキョトンとした顔を浮かべる
そんな灼をよそ目に

もういいよ……

そうよ……
こいつには何言っても無駄よ……

芹羽

……そうね……

三人娘はそろって悟を残念そうな目で見つめる

おいおい、それじゃ俺が悪いみてぇじゃんか

芹羽

当たり前でしょ!!
なんであんなに髪が短くなったのに気がつかないわけ!?
あんたの顔についてる二つの球体は何よ!

眼だろ
言われなくても分かってるよ
バカにしてんの?

芹羽

あんたこそ馬鹿にしてんのっ!?

芹羽と悟は互いにののしり合いを始めた

ホント仲いいわよねあの二人

そうね……
彼女が自分じゃないんじゃないかって思えるくらい仲いいわよね
幼なじみ何だっけ?

らしいわね
私もよく知らないけど

灼は仲良さげにしゃべり続ける二人を見てもう一度ため息をついた。

二人の口論を止めるかのように授業開始のチャイムが鳴った。

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