2025年4月10日(木)
7:00 AM


























オフィス街の事務所の一室。




早朝から重い空気が支配する。











……ほう。
……で?

田母神

……スモールバディは
処理いたしました。

……牛肉か?
……豚肉か?

田母神

は?

スモールバディは
死んで、どうなったんだ?
牛肉になったのか?
それとも豚肉のままかって聞いてんだ?

田母神

えー……

田母神

……合い挽きになりました。

合い挽きだと!?

田母神

はい。

ククク……

田母神

……。

そりゃいい!
傑作だ!
役立たずのブタが、
死んだら値上がりしたのか!

ワッハッハ……!

田母神

……ふふ。

アーッハッハ……!

田母神

ははは……

今すぐ子猫を捕まえて首をはねろ!
俺の目の前でな!

田母神

……は…はい!




























2025年4月10日(木)
7:45 AM






























ふぁぁ……。
眠…。

結局帰ってきてからは眠れなかったな……。

睡眠コントロールを怠けてたせいだな……。気をつけなくては……。

くすのき園関連書類

結局この資料の名簿にも
だいちゃんらしき名前はなかった。

だいちゃん……。
今は一体どこにいるの……?











少女が物思いにふけっていると


ドアを叩く音が部屋に響く。



……はい。






少女が返事をすると、



ドアの向こうから声が聞こえてきた。



お嬢様、そろそろ登校の時間かと思われますが……。今日はお休みになられますか?





え?

やっべ……
もうこんな時間!!
8:35のショートホームルームに
間に合うか?





思いのほか早い時間の流れに


慌ててカバンを抱えて


部屋を出ようとする少女。




……おっと。

くすのき園関連書類

これは持っていかないとな……。
使える情報は名簿だけじゃないし。

それに、いつクシナダの手が
ここに伸びるともかぎらないし。















佐吉

お嬢様、ご朝食は?

お、声掛けさせて悪いな、佐吉。
時間がないから、もう行く。

佐吉

ご朝食を抜かれるのは
感心いたしません。
これを咥えて走って行かれるとよいかと。

……そうか?
気を使わせて悪いな?

佐吉

いえ……。
お気になさらず。

じゃあ、行ってくる。

佐吉

行ってらしゃいませ。



















急げ……遅刻はできないぞ……

幸いこの時間なら、
変装もせず本気で走れるしな。























よし、あの曲がり角を曲がったら
後は直進だけだ!








!!!





少女は曲がり角の先の気配に気づき


逆方向に飛び退く。







その勢いで



口に咥えていたパンが



ちぎれて中を舞う。



しまっ……!





少女はパンを落とすまいと


とっさに手を伸ばす。




しかし……。





あらぬ方向から伸びた手が



先にそれを掴む。








そしてその手は



貴重なカロリー源を



すぐさま差し出してきた。

学人

パン、
飛びましたよ。





うわぁぁ……。
朝からマナビヤだぁ……

あ、ありがと。

学人

お、誰かと思えば住吉じゃないか。
こんな時間にここにいて大丈夫か?

あ、ちょっと朝練も兼ねてな。

学人

そうか。
見かけによらず殊勝じゃの。

学人

関心関心。

学人

しかし、女の脚で間に合うかのー?

オマエがいなきゃ間に合うように走れんだよ。

てか、マナビヤこそ
なんでここにまだいるんだ?

学人

おお。俺か。

学人

俺もトレーニングでな。
せっかくだから学校から距離を取って
猛ダッシュしようとしてたところじゃ。

ダメだ……。
コイツの考えついていけん。

じゃあ、私のことはいいから……。
(さっさと行け。)

学人

うーむ……。

学人

よし、驚かせてしまった詫びじゃ。
俺におぶされ。

へぁ?

学人

安心しろ!
俺的にはトレーニングの
負荷が上がってバッチコイなんじゃ。

あ、いや、そんな事は心配してなくて……

え…ちょ……

学人

うおりゃァァァァ!!!!




マナビヤは少女を強引に担ぎ上げると



唸りを上げて通学路を暴走した。


ぎゃあああ……。
やめてくれー!!!
目立つわーーー!!


























2025年4月10日(木)
8:32 AM















学人

とうちゃ〜く!





奇矯な佇まいの二人が校門をくぐる。



その姿を1人の人間が見ていた。






優一

あ……。
あれは……。





少年が教室の窓から校門を見下ろすと



そこにはよく見知った二人の姿があった。






優一

マナビヤ君と住吉さんだ……けど……。

優一

なんで住吉さんは
マナビヤ君に担がれてるの!




目を疑う光景にショックを隠せない少年。



学人

いいトレーニングになった。
感謝するぞ、住吉。

礼はいいからさっさとその手を離してくれ!降りられないだろ!

学人

おお、スマンスマン。





マナビヤが手を離すと



少女はスルスルとマナビヤの背中から降りた。



あー……。
誰にも見られてないといいな……。























二人が教室に足を踏み入れたその時、



ショートホームルームの予鈴が鳴った。



若葉下

お、ギリギリセーフだな。
学舎と住吉。
もっと早く来んか。

すみません。

学人

ハイ!
以後気をつけます!






若葉下








若葉下

マナビヤがいいのは返事だけだな。
ちょっと学級委員はムリだな。















今日もこのクラスは平和なようだ。
















優一

マナビヤ君と住吉さんが……。
マナビヤ君と住吉さんが……。
マナビヤ君と住吉さんが……。







一人の少年を除いては。





















パンと遅刻少女





つづく







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