2025年4月9日(水)
8:50 AM
2025年4月9日(水)
8:50 AM
とあるオフィスの一室。
………。
……タモガミ。
……はい、なんでしょう？
入れ。
お呼びですか？
タモガミ、テメェの意見が聞きてぇ。
と言いますと？
コイツをどう思う？
……。
HNW−02……。
それも、後期型ですね。
そんなことが聞きたいんじゃねぇ！
御察しの通り、ヴァニラキャンディのものでしょう。
……フン。
行方をくらましたヴァニラキャンディと
この前のネズミの
その後の行方は？
共に未だに掴めておりません。
但し、ヴァニラキャンディの方は
手を打ってあります。
……ふぅ……。
……タモガミィ、何年かける気だ？
早ぇとこクソ猫を捕まえてここに連れ出せ。
御意に。
2025年4月9日(水)
9:07 AM
ハァハァ。
くっそー、アタシとした事が
ちょっと本気で走っちまった…。
おい、オマエ！
はわわわ〜
ん？
チラっ
あわわ！
あ……残念。
おい、オマエ！
大林優一。
はぁ？
僕の名前は大林優一だよ。
そんなことは聞いてねぇ！！
アタシが寝てる間にクラスの奴らに何を言いやがった？
あ、やっぱり寝てたんだね！
やかましい！
質問に答えろ！
あ、えーっと……
『この前の晩はごめんね、血が出たけど……』
ピクッ！
『大丈夫だった？責任とるよ』
って感じ？
ギリッ！
そしたら、何故かクラス全体が沸き立っちゃった。
……コイツ、危険だな……。
優一に見えないよう、
背中に拳銃を取り出す少女。
……今消すか？
処理はどうする？
貯水タンクに沈めるか？
いや、そもそもアタシが連れ出すところを見られている。
今は早計か？
あー、あと……。
まだ何か言ったのか？
なんか、風紀のマジハゲ先生に二人で放課後呼び出しくらっちゃった！
……。
どういうことだ？
んー、僕もよくわからないけど……。
もしかしたら、学級委員の指名かも！
スヤァ
カリカリカリカリ
むっ！
自習中だ！
静かにせい！
スヤァ
はぁ？
住吉さんと一緒に学級委員だったら、僕楽しみー。
アタシが学級委員に
選ばれるわけねぇだろ！
えー……。そうかなぁ？
風紀のマジ……若ハゲから呼び出しだと？
まだ1限だけど
もう、職員室行っとく？
あー、ちょっと待て待て。
そう言えばあの時も……。
きゃー！！
不純異性交遊よー！
伊集院のヤツは
不純異性交遊と言って……
あらら、
どうなっちゃうのかしら、
これ。
色恋沙汰にしか興味がない
鏡野が興味津々だったな……。
もしかして、みんな盛大な勘違いをしてるのか？
……。
突然、
と顔を寄せ、
ねぇ、大丈夫？
と心配する少年。
ひっ！
と、声をあげ咄嗟に
と背中の獲物を隠す少女。
テメェ、近ぇぞ！
ガキくせぇ顔を近づけんな！
少年を罵る少女。
しかし少年は怯まず、
じっ……。
と、さらに顔を近づける。
うぇっ！？
と少年に両肩を掴まれ
ひっ……。
と声を上げる少女。
住吉さん。
な…な…な…何をする気？
少女は
これまでに味わってきた緊張と
全く異種の緊張に
声にならない声を出した。
僕、知ってるよ。
え？
次の瞬間、少年は
っと少女の左腕の袖を
たくし上げた。
ええっ？
その左腕の包帯……。
やっぱり、こっちの手怪我してる。
これ、僕のせいだよね。
責任取るよ。
そんなの、いらない。
え……。
それより……。
それより？
少女は左腕を掴んでいる
少年の手を
と、払い退ける。
そして、そのまま少年の手を
と引っ張り出す。
はわわわ〜
ねぇ……。
もし、次に人前でこの間の事を
喋るようであれば……
その指、
切り落として
あげるからね。
はわわわ〜、ドスだぁ……。
とりあえず、事を急ぐ必要は無くなったか。
指切り
つづく
