そういいながら、雫は自分のスマホ画面を桜花に見せた
表示された画面には、いかにも女子高生が好きそうな文章が羅列されている。この文章を作ったのが綿菓子というペンネームの人らしい
桜花はその画面をのぞき込む。ああ、雫先輩の好きそうな雰囲気がにじみ出ている…
桜花おはよ~
あっ、雫先輩おはようございます
どうしたんですが、そんなに慌てて何かあったのです?
みてみて、このブログ!
やっぱり綿菓子さんって素敵な恋愛経験をされてるんだよね
そういいながら、雫は自分のスマホ画面を桜花に見せた
表示された画面には、いかにも女子高生が好きそうな文章が羅列されている。この文章を作ったのが綿菓子というペンネームの人らしい
桜花はその画面をのぞき込む。ああ、雫先輩の好きそうな雰囲気がにじみ出ている…
きっと綿菓子さんは繊細な人なんだよね
じゃないとこんな文章書けないもん!
その甘さに触れた時、私のカゴに貴方を閉じ込めてしまいたいって思いましたって!
なにこの文章!!!好き!!!!
し、雫先輩落ち着いてください!
ここ学校ですよ!!
それに、そんな恥ずかしい文章を大声で読み上げないでください
はぁ~雫先輩が喜んでくれるのは嬉しいけど…私のメンタルが持たないですぅ
…桜花は自分が綿菓子というペンネームを用いて、いかにも女子が好きそうな文章をホームページにまとめている。もちろん、雫には内緒である
いつか綿菓子さんみたいな素敵な恋愛ができたらいいな~って
やっぱり女の子は憧れちゃうよね。きっといろんな恋愛経験があるんだろうな
そんなこと…ないと思いますよ
そ~かなぁ?
桜花は恋愛経験無いからわかんないかもね
先輩それは、ちょっとへこみます
あはは
ごめんってば桜花!
しゅん…と肩をすくめる桜花
雫はそのの肩をパンパンと叩くのであった
そして思い出したように、雫はつぶやいた
綿菓子さんみたいな感性になれるといいな
雫先輩はそのままでも十分素敵だと思いますよ?
そ、そうかな?
でもやっぱり綿菓子さんに憧れちゃうな
私は雫先輩に憧れてあのブログをまとめてるのに…複雑だなぁ
雫の願望と桜花の複雑な感情
窓から注ぐ光はとても柔らかいものであった
じゃあ、桜花
また放課後に部室でね
はい
では後ほど
雫と桜花の教室は階が違うため、いつもの場所でお別れである
雫の背中を見送り、桜花はため息を小さく吐いた
…私は、そんなにできた人でも
繊細な人間でもないのです。全てはあなたに嫌われたくない…そんなわがままの塊です