私がまだ小さかった頃の話だ。

当時、私は怖い話や所謂怪談が大の苦手だった。
子供の頃はそういう話を聞いては、夜にトイレに行けなくて母親についてきてもらっていた。

そのことは、彼にも大いに笑われた。

だから、当時は思ったものだ。
強くなるのには、まず幽霊を克服しなければならないと。

若奈

お兄ちゃん、ちょっといい?

古森

どうした、若奈

若奈

明日の王都、私も一緒に行っていい?

古森

いいぞ

若奈

やった!

ソール・グルナディエ

随分認めるの早いな

古森

ここに置いておいて村長に何かされると考えたら、この方が安全だ

ソール・グルナディエ

村長の信頼度低すぎだろ……

若奈

まぁ昔からああらしいから、私はいいんだけど

古森

それに前々から王都に行きたいとは言っていたんだ。丁度いい機会じゃないか

若奈

それに、何かあってもソールさんが守ってくれるでしょ?

ソール・グルナディエ

……まぁ、可能な限りは

若奈

じゃあ、明日早いし寝るね。お休み

古森

ああ。お休み

古森

では、私たちも寝ようか、水男殿

ソール・グルナディエ

…………お前の部屋は向こうだろう

古森

暗いの怖いだろう?

ソール・グルナディエ

子供扱いするな!!

ソール・グルナディエ

ZZZ…………

古森

すー……すー……

……………………

ソール・グルナディエ

むにゃ……十四郎…………

……………………

ソール・グルナディエ

う~ん……古森?

ソール・グルナディエ

一体何をして――――

……………………

ソール・グルナディエ

ぎゃああああああああああああああああああ!!!!

カアアア…………

ソール・グルナディエ

いや!やめて!誰か助けて!!

カアアアァァァァ…………

ソール・グルナディエ

!!!!!!!!

――――――――

水男殿!水男殿!!

古森

水男殿!そろそろ起きろ!

ソール・グルナディエ

う……う~~ん

ソール・グルナディエ

古森!?

古森

ああ。おはよう

ソール・グルナディエ

昨日、枕元に女の人が立っていたんですが…………

古森

私が傍で寝ているのに、よくバレずに…………

ソール・グルナディエ

よく分からんが違う!!

古森

気のせいだろう。私は人の気配など感じなかったぞ

ソール・グルナディエ

ならあれは夢だったのか。それならよかっ――――

ソール・グルナディエ

あっ!!

ソール・グルナディエ

……………………

古森

……………………

古森

寝跡じゃ……ないのか?

ソール・グルナディエ

………………多分違う

pagetop