第4話
公衆電話からであったが、声ははっきりと篠田の声とわかった。電話越しでもわかるくらい、篠田の様子が明らかにおかしい。

あぁ、朝倉さんか。電話番号覚えていてよかったよ。携帯を飲み会に忘れてきちゃったみたいで・・・。

篠田さん、どうしたのですか?

ちょっと腹が痛くて・・・。

え?え!?今、どこですか!?

本牧公園の電話ボックスからかけてるんだけど・・・。

本牧公園ですね。

あっ、もうだめだ・・・。

ツー、ツー、ツー・・・
そこで、電話は切れてしまった。


春香は急いで119に電話をし、本牧公園まで、着の身着のままで駆け出した。
本牧公園なら春香の家の近くだ。走れば5分でつく。
到着した頃には、きっと救急車が来ているはずだ。
公衆電話の場所は、限られていて電話ボックスは一つしかない。そこに行けば篠田がいるはず。

はぁはぁ、急がないと。
篠田さんが腹痛。
どうして・・・。

公園につくと、春香の予想どおり救急車が到着しており、救命救急士が篠田を搬入している最中であった。

あの、電話したの私です!

君、この人の知り合い?

はい!

一緒に来てくれるか?

はいっ!!

春香は救命士とともに、救急車に乗り込んだ。

救急車のベットの上には、苦しそうに脂汗をかいている篠田が横たわっていた。

篠田さん、大丈夫ですか?

あぁ、朝倉さんか・・・。迷惑かけるね。

どこがいま一番つらいですか?

吐き気と、腹痛が・・・。
うぅ・・・。

篠田は左脇腹を押さえながら答えた。

今日はお酒のみましたか?

あぁ、今週は毎日です。
帰り道に急に、腹痛が来て、嘔吐もしてしまって。

腹痛、飲酒、ビクトーザ。
この3つから考えられる事。
それは・・・。

もしかして!?

最終話へつづく

かかりつけ薬剤師物語2 〜第4話〜 患者さんは変質者!?

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