こんな感じで俺と彼女達との闘いが始まった。

友達を奪い合う闘いがここまで修羅場になるとは…。

なんで、そんなに独占したがるのが俺には謎だ。

だが、二人には二人なりの事情があるのかもしれない。

逆ギレしてくるくらいだしね。

そう話している間に、茜色に染まっていた空は暗さを少し交えた紫色に変わり、公園の電灯が光を灯し始めた。

…そろそろ帰るか。

時計を観てみると、5時半を指しており、公園には俺一人になっていた。

羽島桜

あ! 見つけました!

早川実

こんな所にいた!

そんな声が聞こえ、公園の入り口に顔を向けると例のごとく、桜と実が俺の方を向いて叫んでいた。



ゲッ! バレたの!?

早川実

なんで逃げたの!? サイテー!

羽島桜

死ねばいいです

大野信一

なんでここがバレた!?

早川実

この公園、学校から丸見えじゃん! バカなの?

大野信一

クソ! 見えないと思ったのに

羽島桜

死ねばいいです

おい、何で桜はこんなにヤンデレ化してるんだよ!

大野信一

桜…何でそんなに怒ってるんだ?

羽島桜

当たり前ですよ!! 毎回毎回逃げて! 何故なんです? 私たちどちらも嫌いなんですか?

大野信一

いや!! それは誓ってない! 二人は大事な友達だから!

早川実

うりゃ!!!

バチン!!

うわ!! 鼻から血が!!

羽島桜

手を出したい気持ちはわかります! でも、どうしてすぐに手を出すんですか!?

あ、気持ちはわかるのか。
…でも、その前に血が!!

早川実

だいたい桜が、毎回毎回どっちも選べる選択肢を出すから悪いんでしょ!

羽島桜

じゃあ、どう聞けばいいんですか!!

早川実

知らないわよ! そんくらい自分で考えてよ!!

羽島桜

私は実さんのそういう所が 嫌いです!!

早川実

私も桜のそういう所が嫌い!!

羽島桜

だいたい…

早川実

そっちだって…

嗚呼。

いつまでこの戦いは続くんだろうか。

空は完全に闇に包まれ、お星様がこんにちはをしている。

俺がどちらかを選ばないのが悪いのか?

いや、そうじゃない。

俺は二人と仲良くしたいし、二人にも仲良くしてほしい。

よし! まずは、目の前の戦いに終止符を打たないと!

大野信一

二人とも、そろそろ…

早川実

信一は、黙ってて!!

羽島桜

信一くんは、黙ってて下さい!!


・・・

どうやら、この戦いは終わりそうに無いようです。

誰か、この修羅場に立たされている俺を助けて下さい!!

…あと、誰か俺に、ティッシュを下さい。
血が…。

つづく…。

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