こんな感じで俺と彼女達との闘いが始まった。
こんな感じで俺と彼女達との闘いが始まった。
友達を奪い合う闘いがここまで修羅場になるとは…。
なんで、そんなに独占したがるのが俺には謎だ。
だが、二人には二人なりの事情があるのかもしれない。
逆ギレしてくるくらいだしね。
そう話している間に、茜色に染まっていた空は暗さを少し交えた紫色に変わり、公園の電灯が光を灯し始めた。
…そろそろ帰るか。
時計を観てみると、5時半を指しており、公園には俺一人になっていた。
あ! 見つけました!
こんな所にいた!
そんな声が聞こえ、公園の入り口に顔を向けると例のごとく、桜と実が俺の方を向いて叫んでいた。
…
ゲッ! バレたの!?
なんで逃げたの!? サイテー!
死ねばいいです
なんでここがバレた!?
この公園、学校から丸見えじゃん! バカなの?
クソ! 見えないと思ったのに
死ねばいいです
おい、何で桜はこんなにヤンデレ化してるんだよ!
桜…何でそんなに怒ってるんだ?
当たり前ですよ!! 毎回毎回逃げて! 何故なんです? 私たちどちらも嫌いなんですか?
いや!! それは誓ってない! 二人は大事な友達だから!
うりゃ!!!
バチン!!
うわ!! 鼻から血が!!
手を出したい気持ちはわかります! でも、どうしてすぐに手を出すんですか!?
あ、気持ちはわかるのか。
…でも、その前に血が!!
だいたい桜が、毎回毎回どっちも選べる選択肢を出すから悪いんでしょ!
じゃあ、どう聞けばいいんですか!!
知らないわよ! そんくらい自分で考えてよ!!
私は実さんのそういう所が 嫌いです!!
私も桜のそういう所が嫌い!!
だいたい…
そっちだって…
嗚呼。
いつまでこの戦いは続くんだろうか。
空は完全に闇に包まれ、お星様がこんにちはをしている。
俺がどちらかを選ばないのが悪いのか?
いや、そうじゃない。
俺は二人と仲良くしたいし、二人にも仲良くしてほしい。
よし! まずは、目の前の戦いに終止符を打たないと!
二人とも、そろそろ…
信一は、黙ってて!!
信一くんは、黙ってて下さい!!
・・・
どうやら、この戦いは終わりそうに無いようです。
誰か、この修羅場に立たされている俺を助けて下さい!!
…あと、誰か俺に、ティッシュを下さい。
血が…。
つづく…。