この間の視力検査でちょっと悪くなっちゃっててさ。しょっく。

エイミ

雨や曇りの日は普段よりも落ちると言いますね。あまり気にしないことです。

お父さんもメガネかけてんのよ……お母さんも悪かったし。こういうの遺伝するって言うじゃん。

はぁ、あたしもメガネかな。なんか嫌ね……

エイミ

よくお似合いですよ。

まだ掛けてません。

エイミ

いえ、拡張現実により恵さんのお顔にメガネの映像を投影しての確認を……むむっ このフォルムは……!

あっちょっ 想像するの禁止。

エイミさんはいいよね。人の目よりずっと高性能なんでしょ? 悪くもならなそうだし。

エイミ

ドロイドのテーマは“人ともに”。性能面もさほど人と代わり映えしませんよ。

エイミ

むしろ劣るくらい。エイミには善悪すら見分けられません――

うん、まあ、それできる人いないけどね。

視力とかもそうだけどさ。体が変化してくのって弱っていくからって言うより、環境に合わせちゃうかららしいわね? いらない機能は無くしちゃいましょう……って。

なんかもったいないよね。せっかくある機能を無くしちゃうなんてさ。

エイミ

体は有限ですからね。時には捨てることも大事なのでしょう。それは悪いことばかりではなく。 それによって新しいものを取り込むことができるとも言える。

つまんない。じゃあ、あたしは無限になる。

エイミ

無限。なかなかおどろおろどしい響き。世界の全てを貪欲に取り込み、今日もエッグマフィンを食べる、食べる。

エイミ

拡張現実により未来の恵さんを投影すると、そこには……! むむっ 肉。これはどこからどこまでが胴体でどこから足なのか!

想像禁止!

23 視界:この目に映るあまたの世界

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