「僕はお前を逃がさない」
「僕はお前を逃がさない」
................!!!!?
ぞわぞわぞわぞわぞわっ
ん?どうしたのだ?クロ
......とりはだ....
わっ!珍しいな!
クロは寒いの平気なはずなのに
....すごく嫌な予感がした...
嫌な予感....??
今日は、少し暑いくらい暖かい日....
でも何故か突然思い出したくない顔が
浮かんだ.....
雪山と....それに負けない冷たい眼.....
気分が悪い.....
だから少しだけリュドに寄ってみた
なになになに?クロから
寄ってくるなんて何この幸せっっ
デヘヘヘヘ可愛いーーーのだぁぁーーー
でっふぇへへへへへへへ
ゴスッッッッ
ぐふっ....何故.........
顔が気持ち悪い......
クロひどいっ.....でも
そこも好き......
......気のせい、かな......
もーーー!ポーー!折角採った実を
片っ端から食べるの止めて
欲しいッスよ!!
ぷひゃひゃひゃひゃひゃ!採れたてが
イチバンって知らないのら~??
採れたてピチピチはポーの物、
甘いうまうまはポーの物なのらー
ロウドウさんに怒られるの僕
なんスからね!!
そんなの知ったこっちゃ...ぴゃ?
ほんとタチの悪い.....ん?
んびゃっっっっ
お前っっっっ
.................
たたたたたたた
大変ッスよぉぉぉ!!!!!!!
どうしたのだ?ネム。そんな
ヤバイッみたいな顔して
ヤバイみたいん
じゃなくて
ヤバイんス!!!!
ポーがっ.....!!!!
むひゅーーーん......
うわっっっポーがカチカチにっっ
一体どうしたのだ!?
そいつが一番耳障りだから
凍らせて貰った。
?!!!!
.......嫌な予感が......
ゲッッッ!!!お前は.....!!!!!?
相っ変わらずのマヌケ面なんだけど。
生きてて恥ずかしくないの?
お前はシアン!!!?
うわっっっビックリしたぁぁぁ!!!!
ロウドウさん!!?
.........
.......シアンがきた.......
顔を曇らせているとそれに気付いたリュドが
そっと背中に隠してくれた.....
...少しだけほっとする.....
おーお前ー100年振りだなー
まだ諦めてなかったのかー...?
は?諦める....?何言ってんの?
僕はただ僕の物を返して貰いに
来ただけだけど?
ロウドウさん、ロウドウさん。
あ、あの凄い恐そうな人は
誰ッスか....??
その筋で「雪原の魔法使い」の名を
知らない者はいない程
魔術に精通した実力者です
あらゆる魔女・魔法使いの中でも
トップクラスにして
クロ様の幼馴染み...
そして......
今日こそ........
僕のクロを返して
貰う.......!!!!!
そして何故か魔王がクロ様を無理矢理
奪った恋敵と思っています。
だーーかーーらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
それは前にも言いましたーーーー!!!
俺とクロは結婚してるんですぅーーー!!!
超相思相愛なんで
すぅーーーー!!!!!
ハァ?!クロがお前と????嫌々したのが分からないとか
オメデタイ奴だよね???????頭の中
大丈夫なの?????
なんかまた話の通じなさそうな人っぽいッスね!!!!!
ふん!外野はほっといて、おいでクロ
僕と一緒に故郷へ帰ろう?
イヤ。イヤ。
ほらクロが嫌がってるのだ。
ホウキに黒猫でも
乗せて一人で山に帰るんだなー
ピキッ
うわっっっ
寒っっっっ!!!!!
気を付けなさいネム!
深く冷気を吸うと肺が凍りますよ!
僕からクロを奪ったくせに
僕に指図しないでくれる....?
返す気が無いなら.....
力ずくで奪い返す。
口で言って聞かないなら、こっちも
力ずくでクロを守るのだ!
バシッッッッッ!!!!!!
シアンの魔法は絶対零度の氷の魔法.....
その魔法は下手をすれば寒さに強いわたしも
他の仲間達も凍る....
凄い....!!あの冷気を
真正面から..!!!!
流石...!!!ステータスが力と頑丈さに
偏ってるだけあります.....!!!
さっさと凍って砕けろ...!!!!!
ふん!この程度で俺が凍る訳ないのだ!
気に入らない....!!!!クロと僕は
お互いを必要としてたのにっ...!!!!
いつも...いつもクロに
嫌がられてる奴が
クロの傍にいる資格
なんて...ないっっ!!!
.....ふーーーーーざーーーーーーー
けーーーーーーるーーーーーーーー
なっっっ!!!!!!!
ズガッッッッッッッ
ぐっっっっ..!!!!!
魔王ッ!!!!
安心しろ!!死なない程度には
抑えてやったのだ!!!!!
クロがお前の事が好きだった?
独りよがりもいいとこなのだ!!!!!
クロが俺を嫌がる訳ないだろ!!!?
自分のおくさんが俺をどう思ってるのか
そんなの聞かなくても分かるし
好きでいてくれてるから俺の傍に
いるのだっっ!!!!本当に嫌いだったら
こうしてここにいないのだ!!!!
むしろクロが嫌ってるのは
お前の方なのだ!!!!
ぐ...どうして.....小さい頃から
一緒だったんだ...クロが僕を
嫌ってるなんてあり得な....
.......すごくきらい。
は!?どうしてそこまで僕を嫌う?!
一緒に遊んで.....
ファーストキスだって僕とだった!!!
なぬっっっ!!!!??
「何してんの?」
「.....むー....雪でシアンつくってるの.....」
「...じゃあもう一つ作ってよ。
僕一人じゃ寂しいし」
「もう一つは何つくる....??」
「お前」
「しあん.......」
「......ほし、きれい.....」
「今日はオーロラが低いから願い事すれば
叶うかもしれない」
「....むー...じゃあお願いする....!」
「.......」
「なにを願ったの?」
「えへへ....シアンとずっと一緒にいられますように..って」
これのどこに....僕が嫌われる
要素がある訳...!?
......全然ちがうっ....!!!
シアンは....
「....ゆきだるま、ゆきだるま.....」
「何してんのブス。」
「う”.........ゆきだるまつくってた....」
「ふーん......じゃあ一つじゃ
寂しいし、もう一つ僕が作ってあげる」
「ほんと.....??」
「....ふぐぅ~....たすけてー.......」
「きゃーーーー!!!!クロッ?!!!なんで
雪だるまみたいに雪で丸められてるのっ!!!?」
「....ほし、いっぱい....」
「おい、ブス。知ってる?
オーロラが出る晩は凶暴な熊が出るって話」
「?!.....し、しらにゃい.....」
「10メートルくらいの大きさでオーロラが
出る度に子供を食べにくるんだ....
ゆっくり、ゆっくり獲物に気づかれない様に...
背後から忍び寄って.....
クロッ!!!うしろっっ!!!!!!」
「っっ!!!!???」
「やだっクロ!ほっぺどうしたの!?」
「......シアンに噛まれた......」
.....その後も崖に落とされたり
池に突き落とされたり、わざと雪崩を
起してそこに放り投げたりされた.....
いやっそれもう
好きな子に
ちょっかいとか
言う次元じゃないッスよ!!!!!!
噛み付いたのをファーストキスッて言いますか!!!ただのクズですね!!!!
ぐっ
.....いじめるところも上から
見るのも一方的なところも嫌いっっ...!
必ず相手も自分と同じだって勘違いして
気持ち、無視して考える人
きらいっっ...!!
だいっきらい....!!!
...シアンと一緒にいても
ぽかぽかしない....!!!!
く、クロ流石にそれは好きな人に
言われたら結構つら......
.......ない.........
僕は信じない!!!!必ず.......
必ず僕はお前を助けだす...!!!!
ばっ!!!!!
シアンはそのまま折れた箒に乗って
しばらく私をじっと見つめた後....
空へ上りまた雪原へ戻っていった.....
何なのだあいつ!いきなり来て
騒ぐだけ騒いでさっさと帰って!!!
......リュド..腕凍ってる...
だいじょうぶ...??
俺の事心配してくれてるのか??
大丈夫!クロの為ならこれくらい
俺全然平気なのだ!
.......むぅ。
それにしても.....ニセ勇者といい...
あのシアンさんといい....
思い込みが激しい人多いッスね
まったく!!決闘は禁止してるから
4年に一回のあれで来い、っつてるのに!
皆ルールを守って欲しいのだ!!
それ程クロ様の事が
ずっと好きだったんでしょうね
愛情表現の落差がなにやら激しい
みたいですけど。
相手への愛情表現がシアンさんと
クロ様似てるッスよねって
口が裂けても言えない....
......もうシアン嫌っっ....!
安心しろ!魔界の平和は......
俺がーーーーー守るっっっ!!!!!
イヤイヤイヤイヤ、意味が
わかりませんて
魔王、その発言はないッスわ...
ブフーーーーーーーー
だってだって、一応
締めたといた方がいいかなって......
...........報われないのら