かぁーーーーーーーーー!?
うーーん.....
...59.5度☆
その体温計壊れてないッスかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?
かぁーーーーーーーーー!?
かぁーーーーーーーー!?
かぁーーーー
あぐっっ.....
そりゃ高熱出たら変にテンション
上がるのは分かるけどあんまり
はしゃがない方がいいのだ
皆さんどうも、ネムッス。
季節の変わり目か、それとも誰かに貰ったか
僕は今ひじょーーーーーーーーにだるいッス。
いつも通り早く起きて掃除して
ロウドウさんに色々教えて貰って....
そこから妙に身体が重くなり、鼻水、咳が
止まらなくなって....
気が付いたら自分のベッドに
寝かされていたのでした....
なんでぼくっ....病気に無関係の
身体になったはずなのにっ....
風邪になってるんスかゲホゲホゲホッ!!
ていうかっあり得ない温度じゃないッス
ゴホゴホゴホ!!!!
大丈夫!この体温計は1000度の
熱でも耐えられる様に出来てるのだ!
そういう事じゃなくって....!!!!
ばたっ
もーほら、はしゃぐなはしゃぐな
1000度に耐えられる
体温計ってもう消し炭レベルで
死ぬじゃないッスかって..
ああああ....突っ込む気力がっっ....!
コラッ、坊。あんまり患者を
興奮させるんじゃないよ
うーわー
オオツノのおっちゃん眼は悪くない癖に
なんで眼鏡かけてるのだ??
これ、かけてた方がなんか
それっぽくないか?ん?ぽくない?
若い子にモテそうでしょ?
.........。
魔王に呼ばれて来てくれた
このオオツノのおっちゃんと
呼ばれている虫型の魔物さんは
大昔、あまり医療が充分ではなかった頃
戦いに傷ついた人や体調が悪い人まで
診て回り色んな薬草を調合しながら
ようやく医療が発達してきた今にに至るまで
医学の発展に大きく貢献した魔物の一人らしい。
ちなみに、オオツノというのは
名前じゃなくて経営しているお店の名前で
実際は他の種族には発音しにくい
特殊な「音」だそうで
魔王はオオツノのおっちゃんって呼んでいるみたいッス
店の名前がオオツノなのに
ワシには小さなツノしか無いってな。
ウシャシャシャシャシャシャシャ
しかも、返しに困る事ばかり言ってくる
も....いいから....
原因は何なんスか...
せっかちな子供だねぇ....
まぁね、風邪に似て
風邪じゃないのね、それは
人間界はウィルス、こっちはまた別
魔界には目に見えるか見えないか
くらいのちっさーーーーーい
人間界で言う虫。がいるのよ
免疫が落ちてる時に雨やね、風に
紛れて身体に入り込んで
高熱や喉の痛み、咳を引き起こす...
まぁーー子供や老人
元人間の人がかかりやすいよね、うん。
ここにその虫みたいなやつの
写真があるのだこのツブツブツブツブの.....
気持ち悪っっっっっ!!!!!!!!
しかもっわざわざこいつを魔界まで
買いに来るちょっとマニアックな
人間もいるのだ.....!
人を体調不良に
する虫を買うって
誰得ッスかッッ...
ぐふっっっ
....面白い子だね
も、いいすから....くすりを
くださいっす....
ないぞ?
へっ?
最近医療が普及したばかりだから
「薬」なんてもんまだナイヨ
そんなっゲホッゴフォッッ!!!
僕っっウェッ
死んじゃうでしょーーーーー!!!!!??ゴヘゴホブヘッッッ
大丈夫大丈夫、俺なんて80度超えた事が
あったけど生きてるぞ
あんたと一緒にするなっっっガッッ
あ” もう これ以上は無理ッス.....
あ、ノビたのだ
やれやれ.....坊、今日はロウドウの
兄ちゃんはいるのかい
いや、ロウドウもクロも午前中から
出かけてるのだ
じゃあここに材料を置いていくから
後でこの子に生薬のスープでも
作ってやりなさい
それで熱と咳が治まるだろう
おう!有難うなのだオオツノの
おっちゃん!
..........
......ここ、どこだっけ....?
ぼくのクマ.......
そうかここはぼくのへやか........
あたまが いたいなぁ
早くおきないとロウドウさんに叱られるっす
シーツをたたんで、屋敷中の植物にみずをあげて...
割っちゃったお皿、怒られるまえに
かくさなきゃ
ああ、くろ様にトランプを教えるやくそくも
あったんだ。ぼくダイフゴウ強いんすよ..
あとは、あとは魔王にまた
本をかりて........
でも身体がだるい
おきたくないな......
.......あれ....?
なんだろうこのにおい...........
.......ゆうがた.....
僕、そんなに寝てたのかな?
さっきまで僕のベッドの横で
ワイワイしていたオオツノさんも魔王も
いつの間にかいなくなっていた
一人だけになった部屋は
オレンジ色に染まっていて
何故だかそれが無性に
寂しいという気持ちを
湧き上らせる。
この広い屋敷に、僕一人だけ
そんな気分........
............。
!!!!!????????
起きたかー!?ネムー!
びっビックリするじゃないッスか!!!
ノックくらいして欲しいッス!!!!
距離感がちょっと...
両手が塞がってるからつい
足で蹴っちゃったのだ
魔王、ドアが若干へこんでるッスよ......
起きれるか??
俺が超いいもの作ってきたぞ~
いいもの??
わっ!すごくいい匂いッス!!!
これどうしたんスか!!?
ロウドウが戻るまでまだ時間
かかりそうだったしこれ位なら
俺も作れるからな
まっ、魔王が
作ったんスか??!!
これを????!
流石俺だろ。
いいから冷める前に
早く食べるのだ
押忍頂くッス!!!
ネムは少し冷ましながら
もくもくとゆっくり食べ始めた
「美味しいか?」と聞くと
「すごくすごく美味しいッス!」
と、顔色のいい表情で答える
頭をわしわし撫でてやると
僕、そんな子供じゃないッスよっと
ムスッと拗ねられて
思わず吹き出してしまった
そういえば俺も昔同じことをやられたな
熱出して、咳が酷くて
一人で寝てる時間が寂しくて
ベッドでうずくまってると
スープのいい匂いがして
嬉しくて嬉しくて
冷ましながら食べてると
優しい手で頭を撫でられた
もう頭を撫でられる年じゃないって
言ってるのに、忘れられない
あの人は笑いながら止めないのだ
「まだ子供のくせに」
まだ子供のくせにな
気持ち的には大人なんス、僕は!
コンコン
ガコッッ
.............何故立てつけが
悪くなってるんですかこのドア
も、戻ったのかロウドウ~
オカエリナノダー
ただいま.....
ぷひゃっお腹が空いたのらー
あ、皆さんおかえりなさいッス!
まったく....ネム!体調を崩すとは
自己管理がなってませんよ!自己管理が!
常に身体には気を付けなさい!
むぐっ申し訳ないッス
ロウドウさん....そう言いつつ
手に持ってる袋から
ひんやりシートやらジュースやらが
はみ出てるッス...
一応心配してくれてたんスね
.....熱、さがった...??
もうだいぶ下がったみたいッスよ!
ご迷惑かけたッス
ぷぇーーーまさしくご迷惑ぴゃーー
おかげでからかう奴が減ってポーは
退屈して死ぬところだったのら~
.....そのまま消えてなくなれば
いいのに...
なんだとうこのクッキーの厚さしかない
ぺったんこ魔女------!!!
また、始まった......
さっきまで穏やかだった空気は
どこへやら、人数が増えて
いつも通りのぎやかさに
僕は苦笑いしながら
残りのスープを飲み欲し
ヨーグルトも食べる事にした
....!.......それ、キッチンの....
俺が持ってきたやつだけど
まずかったか??
...ううん...後でネムにあげようと
思って...
なら丁度良かったのだ!
.....昨日作っておいたの.....
.......つくった......?
........クロが........?
...上手にできた...ゼリー....
ッッッネムっっっ
!!!待ちなさっっ..
!!!!
わーーーーーーーーーー!!!!!!!!
ぱくっ
それを口にした所までが僕の最後の記憶でした
前半は熱で、後半は意識を失った後
謎の腹痛と吐き気とヒドイめまいに襲われ
結局、完治に一ヶ月半かかりました.....
悶え苦しむ中、幻覚を見た時は
本当に死ぬかと思ったッス.....
.....今度はわたしもスープに
挑戦する....!
お願いクロ、それだけはヤメテ.....