明義

坂上さん……大丈夫かな?

数日経っても芽衣子からの返信はなかった
もしかしたら消されているのかもしれないと思っていたが、学校では姿を見かけていた

明義

どうしたんだろう……?

明義はもう一度芽衣子に連絡を送った。
無事かどうかの確認もあったが何より寂しかった。

数分後、スマホに通知が来た
LIFEからの大事なお知らせとあった

明義

大事なお知らせ?

明義は不審に思いながら通知を開いた
そこには「もうすぐ退会されます。」との文字があった

明義

もうすぐ退会?
どういうこと?

その時、明義に電話がかかった。
見慣れない番号からだった。

明義

もしもし?

芽衣子

久しぶり

声の主は芽衣子だった
その声はいつになく暗かった

明義

なんだ坂上さんか……
なんで僕の電話番号を知ってるの?

芽衣子

LIFEは知り合いが運営してるって言ったじゃん。
そこから教えてもらった

そう言えばそうだったと思いながら、それはいいことなのか?と頭をひねった
しかし、それなら都合がいいと明義は疑問をぶつけた

明義

そういえば、もうすぐ退会しますって連絡来たんだけど、なんなのこれ

芽衣子

それ、私が送ったのよ
もうすぐあなたは退会するの……

この世からね……

明義

どういうこと……?

芽衣子の声からただならぬ空気を感じた

芽衣子

このLIFEは他人から無視され続けちゃうとこの世から消えちゃうの
私たちのものになっちゃうの

脳が理解を拒否していた。
何を言っているのか分からなかった

明義

僕が君の書き込みに反応しなかったときに怒っていたのは……

芽衣子

そう
私はまだ研修中の身だったの。
私が使えないと分かられちゃったら、消されちゃうところだったからね

明義は目の前が真っ白になるような感覚に襲われた
そんな明義に対し、芽衣子は言葉をつづける

芽衣子

無事に研修は終わったし、本当なら君は何もなく退会させようかと思ったんだけど。
気付かれちゃったら仕方ないね

芽衣子の言葉と同時に明義の手からスマホが落ちる

もうすでにスマートフォンを握る手がなくなっていた

消えていた

手に続き足を失った明義はその場に崩れ落ちた
かろうじて使える声を使い明義は叫んだ

明義

やめて……誰にも言わないから……助けて……

芽衣子

もう知っちゃったからね
消さないと……

明義

やめろ!

芽衣子

サヨナラ

明義

やめろぉぉぉ!!!

芽衣子

消えろ!!!!

翌日の学校には明義が行方不明になったという知らせだけが届いた
犯人は未だ不明の失踪事件として処理された

失踪事件多くて怖いなぁ……

ざわつく休み時間の教室の中に声がかかる

芽衣子

ねぇ

死神のいざない

芽衣子

ちょっと頼みごとがあるんだ

"LIFE IS END"

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