この数日間、生きている実感がなかった。いつもどおり学校に行って、いつもどおりの授業を受けて、いつもどおり部活をし、いつもどおり帰宅する。
そこには輝きなんて一つも存在しなかった。
明の好きな人を、守ると約束したお母さんを殺した火は、私のお母さんが放った火だった。
もしかしたら、お母さんに限らず、みんな死にたかったのかもしれない。
どうして気づかなかったのだろう。小5の春、今まで仲が良かった子たちが急によそよそしくなって、一ノ瀬灯に深く関わるな、という雰囲気が生まれた時に既に気がつけばよかったのに。
自分が気づいていれば、何か運命が変わったかもしれない。あの時パニックを起こさなければ。あの時突き飛ばしたのが莉子ちゃんじゃなければ。仮説と共に出てくる後悔が、私をますます負の方向へと押しやる。これは五年前明の身に起こったことと同じかもしれない。
当の明は、お墓参り以来五年前の彼に戻ったように明るくなった。ついでに今一番仲がいいのは高島くんだ。何故。